はじめに
こんにちは🌟
写真家のJimaです(^^)
今回はマイクロ(マクロ)レンズを利用する際に絞り開放なのに暗くなる実効F値の話です。
メーカーによっては実効F値での表記をしない場合もあるので「初めて聞く」という方や「そうそう、いつも不思議だった」となる方に別れるかなと思います。
特に難しい話ではなく、仕組みを知ると「なるほど、そりゃそうか」と納得する話なので、カメラやレンズの教養としてお役立てください。
実効F値とは
マイクロレンズ(マクロ)では、諸々の収差を軽減しながら撮影できるようにフローティング機構を採用することが多いです。
マイクロレンズで最短撮影距離(等倍撮影)付近で撮影すると後ろ側の主点から結像面までの距離は無限遠撮影時に対して長くなります。
これがポイントです。
絞りを開けていても焦点面にあたる光量は無限遠に比べて長くなった分、少なくなります。
結果、絞り開放で撮ったとしてもF値が強制的に大きくなるのですが、これを実行F値と呼びます。
実際に試してみましょう
これだけの話です(^^)
「文字で読むとイマイチ理解できないな」という方は動画も用意しておりますので参考にどうぞ
フローティング機構
サラっと登場したフローティング機構についても触れておきましょう。
一般的にレンズは撮影距離が短くなるほど(近づくほど)各収差が増大する傾向があります。
▼参考記事:レンズ収差の話
特に近距離で撮影することの多いマイクロレンズや開放絞りのF値が小さい大口径レンズで収差は現れることが多いです。
この収差に対して、レンズ内部の一部でレンズの感覚を撮影距離に応じて変化させることで収差を軽減する方法があります。
つまりレンズの中の一部であるレンズエレメントがフォーカシングによって動く機構があって、それがフローティング機構です。
光量が減るなら、そりゃそうか話
開放F値が2.8のMCレンズでも、撮影状況(近づいている時)に強制的にF値が大きくなる理由は伝わったでしょうか。
メーカーによって実効F値を用いない場合もあるので、もしマイクロレンズ(マクロ)を利用した際に、実効F値を知ってるか知ってないかで反応が変わる教養でした。
この記事が皆さんの役に立つと嬉しいです。