はじめに
こんにちは🌟
写真家のJimaです(^^)
この記事ではサブ機や初めてのカメラとしてもオススメのNikon Z50IIについて撮影時に役立つ知識となるオートフォーカス(AF)関係について紹介します。
※すべての素材をZ50IIで揃えると時間を要するので一部はZ8撮影時の素材も参考に差し込んでおります。
まずはAFの全体像を把握しよう
まずAFとひとことで表されますが細かく分解すると理解が早いです。
- フォーカスモード:ピントの合わせ方を選ぶ
- AFエリアモード:AF使用時にフォーカスポイントをどのように選択するか選ぶ
- 被写体検出:ピント合わせ時に優先してフォーカスを合わせる被写体を選ぶ
この他にも静止画だけではなく動画時に利用できる機能やマニュアルフォーカス撮影時に活用できるフォーカスに関する機能なども数多くあります。
ただ、網羅的に紹介すると情報量が溢れるので当記事では静止画撮影で活用できるAFについて紹介します。
フォーカスモードについて
フォーカスモードではピントの合わせ方を選ぶことが可能です。
AF-A[AFモード自動切り換え]
静止している被写体はAF-Sで撮影し、動いている被写体はAF-Cで撮影します。
静止画モードの場合のみ選べます
AF-S [シングルAF]
静止している被写体の撮影に適しており、シャッターボタンを半押しするとピント合わせを行います。
ピントが合った時点でフォーカスポイントが赤色から緑色に変わって点灯し、フォーカスがロックされます。
なので、フォーカスロック後は被写界深度を意識して前後の動きは留意が必要です。
ちなみにピントが合っていないときはフォーカスポイントが赤に点滅してシャッターがきれません。
また初期設定はピントが合うとシャッターがきれるフォーカス優先モードになっています。
AF-C[コンティニュアスAF]
スポーツなど動きのある被写体の撮影に適しています。
シャッターボタンの半押しを続けている間はフォーカスロックはされず、被写体の動きに合わせてピントを追い続けるのが特徴です。
初期設定では、ピントの状態に関係なくシャッターがきれるレリーズ優先モードです。
AF-F [フルタイムAF]
カメラが常に被写体の動きや構図の変化に合わせてピントを合わせ続けます。
シャッターボタンを半押しするとピント合わせを行って、ピントが合った時点でフォーカスポイントが赤色から緑色に変わって点灯し、フォーカスがロックされます。
※動画モードの場合のみ選べます。
MF[マニュアルフォーカス]
ピントを自分で合わせたいときに選びます。
ピントの状態に関係なく、シャッターがきれます。
ピーキング表示を有効化すると赤色などで表示できるので撮影が楽になります。
パンフォーカスでの撮影やMCレンズを用いたマクロ撮影、MF専用レンズなどを含め出番は意外と多いです。
オートフォーカスについての注意点
戸惑うことが多いので教養として知っておくと便利な話です。
- オートフォーカス作動中は、画面の明るさが変わることがあります。
- ピントが合わなくてもフォーカスポイントが緑色で点灯する場合があります。
- 暗い場所ではピントが合うまで時間がかかる場合があります。
- フォーカスポイントを撮影画面の端付近に移動している場合、ピントが合いにく
くなることがあります。
次の被写体はオートフォーカスでピントが合わない場合があります。
- 画面の長辺側と平行な線の被写体
- 明暗差の少ない被写体
- フォーカスポイント内の被写体の輝度が著しく異なる場合
- イルミネーション、夜景などの点光源や、ネオンなど明るさが変化する被写体
- 蛍光灯、水銀灯、ナトリウム灯などの照明下で画面にちらつきや横縞が見える場合
- クロスフィルターなど、特殊なフィルターを使用した場合
- フォーカスポイントに対して被写体が小さい場合
- 連続した繰り返しパターンの被写体(ビルの窓やブラインドなど)
AFエリアモードについて
オートフォーカス使用時に、フォーカスポイントをどのように選択するか設定できます。
AFエリアモードが[オートエリアAF]以外の場合、フォーカスポイントはマルチセレクターを使用して移動可能です。
ピンポイントAF
シングルポイントAFよりも小さいフォーカスポイントを使って、より狭い範囲にピンポイントでピントを合わせることができます。
シングルポイントAFよりもピント合わせに時間がかかることがあります。
建築物などの静止している被写体の撮影や、スタジオでの商品撮影や接写に適しています。
静止画モードで、フォーカスモードが[シングルAF]の場合のみ選べます。
シングルポイントAF
撮影者が選んだフォーカスポイントでピント合わせを行います。
静止している被写体の撮影に適しています。
ダイナミックAF(S)
撮影者が選んだフォーカスポイントでピント合わせを行います。
選んだフォーカスポイントから被写体が一時的に外れても、周辺のフォーカスポイントからのピント情報を利用してピントを合わせます。
ダイナミックAF(M)と(L)
静止画モードで、フォーカスモードが[AFモード自動切り換え]または[コンティニュアスAF]の場合のみ選べます。
スポーツの撮影など、シングルポイントAFでは被写体をとらえにくい動きのある被写体の撮影に適しています。
ピントを合わせる範囲をS、M、Lで設定できます。
Sが最も狭く、Lが最も広い範囲で被写体をとらえます。
ダイナミックAFの使い分け
ダイナミックAF(S)
構図を決めて撮影するときや、被写体の動く方向が予測でき、フォーカスポイントで被写体をとら
えやすい撮影に適しています。
例:陸上競技やモータースポーツ
ダイナミックAF(M)
動きがランダムで予測しにくい被写体の撮影に適しています。
例:フィールドスポーツ
ダイナミックAF(L)
被写体の動きが速く、選んだフォーカスポイントで被写体をとらえにくい場合の撮影に適しています。
例:野鳥撮影
ワイドエリアAF(S)と(L)
シングルポイントAFよりも広い範囲(エリア)で被写体をとらえてピント合わせを行います。
スナップ撮影や、動きのある被写体、シングルポイントAFではとらえにくい被写体の撮影などに適しています。
動画撮影で動きのある被写体を撮影する場合やパン・チルトを行う場合にも、滑らかで安定したピント合わせが行えます。
フォーカスポイント内に複数の被写体がある場合、手前の被写体を優先してピントを合わせます。
ワイドエリアAF(L)はワイドエリアAF(S)よりも広い範囲で被写体をとらえます。
ワイドエリアAF(C1)と(C2)
ピント合わせを行うAFエリアのサイズを、フォーカスポイントの縦と横の数で設定できます。
ピントを合わせたい範囲がある程度決まっている被写体の撮影などに適しています。
ワイドエリアAF(C1)またはワイドエリアAF(C2)を選んでOKボタンを長押しすると、AFエリアのサイズを設定できます。
設定できるAFエリアのサイズについて(Z50II編)
- 静止画撮影メニューの場合、[1×1]から[19×11]の60パターンです。
※撮像範囲を[DX(24×16))]に設定時、撮像範囲の設定により異なります。 - 動画撮影メニューの場合、[1×1]から[19×9]の50パターンです。
3D-トラッキング
フォーカスポイントを指定した被写体に追尾させることができます。
追尾させたい被写体にフォーカスポイントを合わせてシャッターボタンを半押しすると被写体の追尾を開始し、被写体の動きに合わせてフォーカスポイントが移動します。
シャッターボタンを放すと追尾を終了してフォーカスポイントが追尾を開始する前の位置に戻ります。
カメラが途中で被写体を見失ってしまった場合は、いったんシャッターボタンを放して、もう一度フォーカスポイントで被写体にピントを合わせてください。
静止画モードで、フォーカスモードが[AFモード自動切り換え]または[コンティニュアスAF]の場合のみ選べます。
ターゲット追尾AF
フォーカスポイントを指定した被写体に追尾させることができます。
追尾させたい被写体にフォーカスポイントを合わせてOKボタンを押すか、シャッターボタンを半押しすると被写体の追尾を開始し、被写体の動きに合わせてフォーカスポイントが移動します。
OKボタンを押すと追尾を終了してフォーカスポイントが撮影画面の中央に戻ります。
動画モードの場合のみ選べます。
オートエリアAF
カメラが自動的に全てのフォーカスポイントから被写体を判別してピントを合わせます。
シャッターチャンスを優先した撮影、人物撮影、スナップ撮影などに適しています。
3D-トラッキングおよびターゲット追尾AFの注意点
次のような場合は、追尾動作が正常に行われないことがあります。
- 被写体の色、明るさ、柄が背景と似ている場合
- 被写体の大きさ、色、明るさが著しく変わる場合
- 被写体が大きすぎる/小さすぎる場合
- 被写体が明るすぎる/暗すぎる場合
- 被写体の動きが速すぎる場合
- 被写体が隠れたり、画面から外れた場合
凄く便利な被写体検出
被写体の設定方法
静止画撮影メニューまたは動画撮影メニュー[AF/MFの被写体検出設定]で、ピント合わせ時に優先してフォーカスを合わせる被写体を[オート]、[人物]、[動物]、[鳥]、[乗り物]、[飛行機]、[しない]から選べます。
カメラが被写体を検出すると、被写体にフォーカスポイントが表示されます。
撮影モードがSCNの動物(猫マーク)の場合、[動物]に固定されます。
SCN(シーンモード)は撮影するシーンが決まっているとき、シーンに合わせて撮影モードを選ぶだけで美しく撮影できる便利機能です。
動画撮影メニューの場合は[AF/MFの被写体検出設定]>[被写体検出]で設定します。
静止画モードと動画モードでそれぞれ異なる被写体を設定できます。
[人物]に設定した場合、カメラが人物の顔を検出すると顔にフォーカスポイントが表示されます。瞳を検出できるときは、左右どちらかの瞳にフォーカスポイントが表示されます。
カメラが検出した人物が一時的に横や後ろを向いたりしても、追尾してフォーカスポイントが移動します。
[動物]に設定した場合、カメラが犬、猫および鳥の顔を検出すると顔にフォーカスポイントが表示されます。
瞳を検出できるときは、左右どちらかの瞳にフォーカスポイントが表示されます。
顔または瞳が検出できなかった場合、動物の全身を検出してフォーカスポイントが表示されます。
[鳥]に設定した場合、カメラが鳥の顔を検出すると顔にフォーカスポイントが表示されます。
瞳を検出できるときは、左右どちらかの瞳にフォーカスポイントが表示されます。
顔または瞳が検出できなかった場合、鳥の全身を検出してフォーカスポイントが表示されます。
[乗り物]に設定した場合、車、バイク、列車、飛行機および自転車を検出すると被写体にフォーカスポイントが表示されます。
列車は前面のみ検出します。
飛行機は大きさにより機体全体、機首部分、コクピットの3種類を検出します。
[飛行機]に設定した場合、飛行機を検出すると機体にフォーカスポイントが表示されます。
大きさにより機体全体、機首部分、コクピットの3種類を検出します。
[オート]に設定した場合、人物、動物および乗り物を被写体として検出し、ピントを合わせる対象をカメラが自動的に選択します。
[しない]に設定した場合、被写体の検出を行いません。
オートフォーカス時の被写体検出について
オートフォーカス時は、[AFエリアモード]の設定が[ワイドエリアAF(S)]、[ワイドエリアAF(L)]、[ワイドエリアAF(C1)]、[ワイドエリアAF(C2)]、[3D-トラッキング]、[ターゲット追尾AF]、[オートエリアAF]の場合に被写体の検出が可能です。
複数の被写体を検出した場合は被写体にグレーの枠が表示されます。
[AFエリアモード]の設定が[オートエリアAF]の場合、カメラが選んでいるフォーカスポイントに左右の矢印が表示されます。
マルチセレクターの左右を押してピントを合わせたい被写体を選ぶことができます。
マニュアルフォーカスで撮影するときに被写体を検出する場合は、静止画撮影メニューまたは動画撮影メニュー[MF時の被写体検出範囲]を[検出しない]以外に設定します。
[全域]を選ぶと、撮影画面全域から被写体を検出します。複数の被写体を検出した場合は、被写体にグレーの枠が表示されフォーカスポイントに左右の矢印が表示されます。
マルチセレクターの左右を押してピントを合わせたい被写体を選ぶことができます。
[ワイドエリア(L)]または[ワイドエリア(S)]を選ぶと、フォーカスポイントの範囲内で被写体を検出します。
被写体検出の注意点
次のような場合は、正常に検出できないことがあるため注意が必要です。
被写体検出を[人物]に設定した場合の注意点
- 顔が画面に対して大きい/小さい場合
- 顔が明るすぎる/暗すぎる場合
- メガネやサングラスをかけている場合
- 髪の毛で目や顔が隠れている場合
- 人物の動きが大きすぎる場合
被写体検出を[動物]に設定した場合の注意点
- 顔が画面に対して大きい/小さい場合
- 顔が明るすぎる/暗すぎる場合
- 体毛などで目や顔が隠れている場合
- 瞳と周辺部位の色が近い場合
- 動物の動きが大きすぎる場合
- 犬、猫、鳥以外でも、類似した動物に枠が表示されることがあります。
- オートフォーカス時はAF補助光が動物の瞳に悪影響をおよぼす可能性があるため、カスタムメニューa11[内蔵AF補助光の照射設定]を[OFF]に設定してください。
被写体検出を[鳥]に設定した場合の注意点
- 顔が画面に対して大きい/小さい場合
- 顔が明るすぎる/暗すぎる場合
- 羽毛などで目や顔が隠れている場合
- 瞳と周辺部位の色が近い場合
- 鳥の動きが大きすぎる場合
- 鳥以外でも、類似した動物や物体に枠が表示されることがあります。
- 鳥以外の検出が目立つ場合、AFエリアモードをより狭い設定に変更すると改善されること
があります。 - 蛍光灯や水銀灯などの光源下では、静止画撮影時にちらつき(フリッカー現象)が通常よりも発生しやすくなります。
- 静止画撮影メニュー[静止画フリッカー低減]を[ON]にするとフリッカー現象の影響を低減できます。
- フリッカー現象が発生していない場合は静止画撮影メニュー[静止画フリッカー低減]を[OFF]にしておくことをおすすめします。
- AF補助光が鳥の瞳に悪影響をおよぼす可能性があるため、カスタムメニューa11[内蔵AF補助光の照射設定]を[OFF]に設定してください。
被写体検出を[乗り物]または[飛行機]に設定した場合の注意点
- 被写体が画面に対して大きい/小さい場合
- 被写体が明るすぎる/暗すぎる場合
- 被写体が部分的に隠れている場合
- 被写体と周辺の色が近い場合
- 被写体の動きが大きすぎる場合
- 被写体の色、形状によっては検出できない場合があります。
また、乗り物および飛行機以外に枠が表示されることがあります。
被写体の検出性能について
次のような場合は、被写体の検出性能が低下することがあります。
- 「ハイスピードフレームキャプチャー +」撮影時
- 静止画撮影メニュー[階調モード]で[HLG]を選んでいる場合
- 動画撮影メニュー[動画記録ファイル形式]を[H.265 10-bit(MOV)]に設定し、階調モードで[HLG]または[N-Log]を選んでいる場合
あとがき
いかがでしたでしょうか。
Z50IIを基準にAFの各機能を紹介しました。
当記事が役立った方は是非、YouTubeのコメント欄に感想をいただけると嬉しいです(^^)