こんにちは🌟
写真家のJimaです(^^)
はじめに
今回は以前から少しずつ見かけるようになった「ズームレンズだけで良い」という単焦点レンズ不要論について解説します。
「単焦点レンズ不要論」とは私が呼んでるだけですが、スタジオ業界の時から時々聞くこともありました。
ザックリと、お伝えすると
- 今はズームレンズが優秀になっている
- 単焦点レンズを描写性能で選ぶ必要が薄れている
- 明るさやボケ味を求めて単焦点を選ぶ理由も薄れつつある
- 単焦点との差異が縮まれば、焦点距離のカバー範囲的にズームレンズが便利だ
などがあるよう。
皆さんは単焦点レンズは不要ですか?
是非、YouTubeのコメント欄で教えてください。
ただ、これは「人による」と私は考えており、すべての人が単焦点レンズ不要になったわけではないと思います。
ズームレンズの進化と単焦点レンズの地位の変化
この話の背景にはズームレンズがミラーレス時代に入り著しく進化したことが関係していると思います。
ここ最近ではSIGMAより明るいズームレンズが登場して驚いたことが記憶に新しいです。
広角端28mm、望遠端45mmであればF値1.8一定を実現しつつ
広角端28mm、望遠端105mmまで対応しつつF値2.8一定でること。
どちらも約15cmちょい、1㎏以下は凄い時代になったなと思います。
とはいえ、TAMRONからも先日レビュー記事を投稿した 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD (A058Z)が登場しています。
広角端を少し妥協して28mmや35mmとすると広角、準広角、標準、中望遠をカバーするレンズは開放F値2.8で作れる時代になっています。
もし「超広角の20mmや14mmが必要な方は別でレンズを用意してね」ぐらいの感覚になりつつあるなと思います。
ただ、これは改めて思うのは「人による」です。
「超広角を利用しない方でf/1.4やf/1.2は必要な時だけでいい」と割り切れる場合に限るなと思います。
もちろんズームレンズで全ての撮影がカバーできる方は単焦点レンズを使うことは減っている時代です。
それこそ、私もスタジオ時代はズームレンズが利用率9割でした。
というか単焦点レンズで仕事をするのはハウススタジオ系でフォトスタジオ系はズームレンズでバシバシ回転率を高める印象です。
ズームレンズを使うとすればマクロレンズで小物を撮ったり、カタログ撮影などで単焦点レンズで決め打ちで撮るときぐらいです。
キッズ撮影やブライダルも含めズームレンズでないと、スピード感ある撮影は長期的に考えて負担が大きいです。
もちろん、焦点距離を意識してバシバシ撮れる方もいますが、属人的な撮影スタイルは状況によって邪魔になります。
「あの人はこう撮っていたから」はオペレーションを乱す原因です。
全く何も知らないスタッフが派遣されても違和感なく業務を終える形にしておくべき場面もあります。
そういった際はズームレンズは焦点距離のカバー範囲も広く汎用性も高いため有利です。
なので、私の印象としては単焦点レンズ不要論は昔からあった話だと思います。
ただ、それが近年のズームレンズの描写性能や明るさ(開放F値)の向上によっていろいろな場面で発信される方が増えた傾向はあります。
今までひとつの焦点距離で決め打ちで撮っていた場面からズームレンズが進化した驚きから「これは、もうズームレンズで撮ったとは思えない」という表現が誇張されると「単焦点レンズ不要論」になってくる。
もちろん「予算が許すなら単焦点レンズも買ってると良いよ」という話だとは思います。
単焦点レンズ不要論の背景と要因
ただ、悩ましいのは「インフルエンサーが単焦点レンズは不要だと言っていた」という影響を受けやすい方もいること。
もちろん、インフルエンサーの発信を参考に「私も単焦点レンズは不要だと思う」は良いと思いますが、視野が狭くなるのはもったいないと思います。
せっかくのレンズ交換式カメラなので、単焦点レンズで表現を変えることを楽しむのもオススメしたいと私は思います。
特に超望遠レンズやMC(マイクロ)レンズ、薄型単焦点レンズなどはズームレンズとは異なる特徴や携帯性を考えて選択肢を広げることが大事だと思います。
個人的には薄型単焦点レンズは単焦点だからの強みがあるなと思います。
確かにNIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3など沈胴式でコンパクトな小型軽量ズームもありますが
NIKKOR Z 26mm f/2.8 や NIKKOR Z 40mm f/2 は独特の魅力があると思います。
撮影スタイルとレンズ選択の関係性
確かにズームレンズが優秀となると、単焦点レンズの出番が人によっては減ります。
もう「かれこれ数カ月レンズ交換していない」という方もいるかもしれません。
ただ、これは「人による」話で逆に撮影スタイルによっては単焦点レンズばかりを使う人も多いです。
確かにミラーレス時代ではズームレンズの進化は目覚ましく、単焦点レンズの地位を揺るがしかねない状況です。
以前ほどズームレンズと単焦点レンズの違いを描写性能や明るさで切り分けるインパクトは薄れている感はあります。
数年前の私の動画では単焦点は軽くてコンパクトで描写特化で明るくボケるという表現を使っていました。
今も変わらないのですが、
強調度合いとして「単焦点の方がコンパクトで描写も優れ明るいレンズが多いよ」という表現になります。
コンパクトについてはNIKKOR Z 50mm f/1.2 S など描写特化の例外レンズもあるので(笑)
それでも開放F値1.2と描写性能にAF性能などを兼ね揃えても「あのサイズで収まった」のは単焦点だからかなとも思います。
NIKKOR Z 35-85mm f/1.2 S(夢)のようなレンズが出た際には、サイズ感が気になりますね
レンズの進化と未来展望
ただ、ズームレンズが進化する分
差異が小さい分、気づきにくいですが単焦点レンズも進化している点もあります。
何より、私が単焦点レンズを好むのはシンプルであること
撮影工程で焦点距離(画角の調整)を考えずに潔く遠いなら遠い、近いなら近いで撮れることです。
もちろん「足で稼げ」も良いのですが、画角やアングルを意識して撮れるのは単焦点レンズかなと思います。
単焦点レンズが持つ圧倒的な明るさや焦点距離が決め打ちでシンプルに撮れるといった魅力はあります。
私の中で「単焦点レンズ不要論」はNIKKOR Z レンズ f/1.8 S シリーズが1本になったときです。
NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena はコンセプトが異なるので外れますが
NIKKOR Z 20mm f/1.8 S から NIKKOR Z 85mm f/1.8 S までをカバーした
NIKKOR Z 20-85mm f/1.8 S(夢) というレンズが描写性能を維持したまま登場した暁には単焦点レンズ不要論も現実味を帯びると思います。
とはいえ、おそらく夢のようなズームレンズが登場する時代にはレンズを作る技術も向上しているはずなので単焦点レンズも負けないと尖ったコンセプトのレンズが出ているはずです。
なので、ズームレンズの進化により単焦点レンズが負けじと進化する状況は私にとっては嬉しい展開です。
皆さんはどう思いますか?
単焦点レンズ不要論に対して、どう思うかYouTubeのコメント欄でいただけると嬉しいです。