こんにちは🌟
写真家のJimaです(^^)
今回はニコンのフレキシブルカラーピクチャーコントロールとイメージングレシピについて、良い機能なのに少しもったいないなと思う点について共有します。
質問をいただきました

こんにちは!
じまさんの動画を見て、Z5IIを予約しました!
そして「フレキシブルカラー」に興味があるのですが、どういったものでしょうか?
そして、パソコンでの画像編集などが苦手な私でも使えるものなのでしょうか?

こんにちは!
Z5IIの予約おめでとうございます!
大人気のようで発売日に届くかニコンさんに供給面で頑張ってほしいですよね。
さて、フレキシブルカラーについては「興味があるけど、使い方がわからない」という声も多くいただいております。
細かい話ですが「フレキシブルカラーを使うのか」もしくは「イメージングレシピを使うのか」で答え(手順)が変わるので動画にしますね。
先に結論
今回のご質問のようにフレキシブルカラーやイメージングレシピは興味はあるけど、複雑で使い方がわからないという声は定期的に届きます。
私がフレキシブルカラーピクチャーコントロールとイメージングレシピに対する結論としては【誰でも簡単に使えるようにすべき】です。
もちろん、無償で利用できる画像編集ソフト NX Studioの機能ですし、クラウドピクチャーコントロールに対応しているカメラなら誰でも使えます。
ただ、使うには仕組みの理解と使える環境にするまでの根気が必要です。
この話をする前にフレキシブルカラーピクチャーコントロールとイメージングレシピについて先に説明をします。
フレキシブルカラーピクチャーコントロールとは
フレキシブルカラーピクチャーコントロールを簡単に表現すると、静止画・動画に適用するピクチャーコントロールを自分で「フレキシブルカラー」として作成し、適応することができる機能です。
ピクチャーコントロールには大きく3つのグループがあります。
- 馴染み深いニュートラルやビビット、風景など一般的なピクチャーコントロール
- サンデーやデニム、ピュアなどのお洒落なクリエイティブピクチャーコントロール
- フレキシブルカラーで作成したレシピを登録するクラウドピクチャーコントロール

すでに様々なピクチャーコントロールが存在しますが、「カメラメーカーが用意した色ではなく、自分の色や世界観で撮りたい」という声も前々からありました。
それに応えるのがピクチャーコントロールのフレキシブルカラーとなります。
ニコン純正の画像編集ソフト NX Studio でピクチャーコントロールのフレキシブルカラーを選択後、自分の好みの色でピクチャーコントロールを作成することが出来ます。

撮影前にイメージに合わせて、コントラストや彩度・色相などを細かく調整できるため、撮影後に編集する手間がかからず、撮って出しから理想の色味で記録することが出来るのが魅力です。

イメージングレシピとは
イメージングレシピは写真の撮影設定を「レシピ」として作成・保存できるサービスです。
保存したレシピ内の色表現設定は登録したカメラへ同期することができるので、すぐに撮影で使用できます。
また、ニコンが公開しているレシピを使って憧れの写真表現を簡単に楽しむことができます。
出典:株式会社ニコンイメージングジャパン
混在しがちなので順に説明します。
- 画像編集ソフト NX Studioには自分で好みの色を作れるピクチャーコントロールとしてフレキシブルカラーというものがあります。
- そのフレキシブルカラーをレシピとして作成、保存することができる。
- 保存したレシピをカメラにクラウドピクチャーコントロールとして登録することができる。

私も概念というか仕組みというか、どの機能がどこまでを対応しているのか理解するのに苦労しました(笑)
参考サイト
皆さんの印象をアンケートで聞いてみた
こちらはYouTube(カメラ塾【JimaTube】)で聞いたフレキシブルカラーピクチャーコントロールに対するアンケート結果です。
2日間で約500票弱の回答をいただきました。


投票していただきました皆様、ありがとうございます。
当記事の執筆時点では結果として
このような結果となりました。
既にフレキシブルカラー(レシピ)を使っている方や知ってるけど使っていない方は、ご自身で使う・使わないを判断しているので大丈夫ですね。
気になるのは「使い方がわからない」約80名(17%)の方々へのサポートです。
つまり、フレキシブルカラーやレシピの存在は知ってるけど使い方がわからず自分が楽しめる機能なのかどうかも判断できない状況であること。

これはニコンさん、もったいないです。
課題1-機能は良いのに、使うハードルが高い-
先の機能の説明を聞くと「自分好みの色が作れるの?凄い!最高!」となります。
ただ、私はフレキシブルカラーピクチャーコントロールには課題があるなと感じています。
それは、使うまでに設定する項目や内容の理解に加え対応する内容が多くて利用するまでのハードルが高いことです。
つまり、出来ることは素晴らしいのに導入の壁が高く使いたくても、使う状態にできない人が多いということです。
もう一度言うと、フレキシブルカラーとイメージングレシピは機能としては素晴らしいです。
撮影後、編集工程を飛ばして即利用可能な状態として仕上げることも可能なので便利です。
ちなみに当記事、執筆時では適用量を変更できず常に100%適用になるため、今後クリエイティブピクチャーコントロールのように30%などが選べるようになると良いなと思います。
必ずしも作成したフレキシブルカラーが100%で完璧かというと、色が強く出すぎることもあるので適用量は調整できた方が良いなと思います。
現状のフレキシブルカラー・レシピの使い方
フレキシブルカラーやイメージングレシピは興味を持っている方が多いです。
ただ、利用するには少し準備が必要です。
自分の色味で楽しむ場合
- 画像編集ソフト NX Studio を使いフレキシブルカラーを作成
- Nikon Imaging Cloudにアップロード、もしくはメモリーカードへ保存
- カメラにフレキシブルカラーを読み込ませて利用

クリエイターの色味で楽しむ場合
- Nikon Imaging Cloudで、好きなImaging Recipeをさがす
- Nikon Imaging Cloudでレシピを保存
- カメラにフレキシブルカラーを読み込ませて利用

課題2-特にレシピの導入ハードルが高い-
フレキシブルカラーを自分で画像編集ソフト NX Studioで作成した場合は、Nikon Imaging Cloud経由やメモリーカードに保存してカメラに差し込み読み込み(クラウドピクチャーコントロールの登録)が可能です。
そして、フレキシブルカラーを自分で作成する方は画像編集ソフトなどにも慣れている(慣れていなくても使える環境にある)と思うので、特に困らないと思います。
気になるのは「NX Studio でフレキシブルカラーを自分で作成しないが、色々なクリエイターのレシピ(フレキシブルカラー)を気軽に使いたい」という場合です。
この場合、メモリーカードからレシピをカメラに読み込むこと方法が使えません。
現時点では必ずクラウドサービスであるNikon Imaging Cloud経由が必要となります。

これが課題というか「難しい」「興味あるけど、手間だから使ってない」という声として私に届いている課題だと思います。
改善案
提案1.初期状態のカメラに数パターン入れておく
一番、現実的な方法としてフレキシブルカラー(クラウドピクチャーコントロール)に数パターンをカメラ購入時から登録しておくのが良いと思います。
今はピクチャーコントロールの項目に進んでも、クラウドピクチャーコントロールは未登録なので「クラウドピクチャーコントロール?なんだこれ?」でフレキシブルカラーやレシピの存在を知らない方も多いです。
始めからレシピがクラウドピクチャーコントロールに入っていると、「クラウドピクチャーコントロールとは何? 他にもクリエイターのレシピが登録できるの? 楽しそう!興味ある」と利用することや機能そのものを知るキッカケになるのではないかと思います。
提案2.ニコンプラザ等で導入サポートを用意する
これは対応スタッフのコストや遠方の方がサポートできないので、少し難しいですが利用者としては助かるサービスです。
クラウドピクチャーコントロールに対応したカメラをニコンプラザ等に持ち込んだ際にスタッフの方に「このレシピを入れてほしい」と伝えると、読み込んでくれるサービスがあると良いなと思います。
もしくはニコンプラザ限定でレシピ(フレキシブルカラーの元データ)が保存されたメモリーカードが置いてあって、気軽にカメラに読み込ませることが出来る環境も良いなと思います。
ただ、レシピの入ったメモリーカードの盗難や複製(PC等でコピーされる)などが考えられるので対策が必要になります。
提案3.レシピもメモリーカード経由で登録できるようにする
これはクリエイターのノウハウ(色づくりの技術)がバラまかれる形になるので、利用者としては実現すれば楽なのですが、レシピを守るうえでは難しいかもしれません。
カメラのファームウェアの更新ファイルのように各クリエイターのレシピをPC等でダウンロードできるようにして、メモリーカードに保存後、カメラに読み込むことが出来れば気軽だなと思います。
実体験-ワークショップで実感した熱量-
今回、フレキシブルカラーに対して「もっと使いやすくなればいいのに」と思った理由はワークショップで目にした参加者の熱量です。
以前、「Nikon クリエイターズ in meriken gallery & cafe 2024_Late」で開催されたワークショップ「こんな色どうやって作るの?写真家・上田晃司のNikon Z6Ⅲを使ったカメラでつくる!色作り基本のき」にレポート係としてスタッフのひとりとして参加しました。
イベントページ

レポートページ
その際、参加者全員が午後の撮影実習(フォトウォークのようなもの)で利用するため、Z6IIIが20台ほど用意されていました。
そのワークショップの事前準備も参加していたのですが、各Z6IIIに上田先生(講師)が作成したフレキシブルカラーをメモリーカードから読み込ませていました。
つまり、参加者はイベント当日にピクチャーコントロールの項目からクラウドピクチャーコントロール(上田先生のレシピ)が使える状態のZ6IIIを利用していました。
これが凄く盛り上がったのです。
ニコンに搭載されているピクチャーコントロールも十分に楽しめますが、やはり今まで見たことのないピクチャーコントロールが搭載されている感動というものがあります。
そして参加者の多くが積極的に上田先生のレシピを利用して撮影実習後の作品講評の場で撮影した写真(作品)を提出していました。
もちろん、グラファイト等のクリエイティブピクチャーコントロールを利用される方もいらっしゃいますが、それは好みなので自由に楽しめます。
フレキシブルカラー(レシピ)が選択肢としてカメラ側に事前に入っていることが大切だと実感しました。
提案4.フレキシブルカラーに特化したワークショップ
ということで、4つ目の提案はフレキシブルカラーに特化したワークショップを頻繁に開催することです。
ニコンユーザーの教育というと大げさですが、カメラが凄い速度で進化するのであれば利用者へ使い方の細かいサポートもあった方が良いなと思います。
もちろん、デジタルネイティブ世代やデジタルに関するリテラシーが高い方はご自身で出来るかもですが「使いたいけど、使い方がわからない」というレイヤー層を「使えるようにしてもらったから、使ってみる」に底上げするのは大事です。
もちろん「餌ではなく釣り方をお伝えする」のが大事なので、「このようにレシピを読み込みます」という手順をお伝えすることも大事です。
ニコンプラザなどでも定期的に開催されているようなので、興味ある方はフレキシブルカラー(レシピ)に特化したワークショップに参加してみてください。
あとがき
今回の記事を執筆するにあたり「過保護過ぎないか?」という疑問がありました。
ただ、カメラは安い買い物ではなく使える機能も凄い勢いで追加されています。
フレキシブルカラーが人気のない機能であれば、数年後に忘れ去られて「そんな機能あったね」や「使ってる人いたっけ?」になるので問題ないのですが、フレキシブルカラーは人気というか興味を持つ方が多いです。
であれば、せっかく楽しめる色表現の手段としてフレキシブルカラーを積極的に楽しめる環境を過保護でも良いからユーザーに提供するのは大事だなと思いました。
皆さんはフレキシブルカラー(レシピ)について、どう思いますか?
是非、YouTubeのコメント欄で教えてください。