こんにちは🌟
写真家のJimaです(^^)
今回はニコン ZマウントのFXフォーマット(フルサイズ)対応として初のパワーズームを搭載したNIKKOR Z 28-135mm f/4 PZを紹介します。

先に結論
【ニコンで動画を撮らない・撮れないといった理由(言い訳)を解消(潰した)したレンズ】です。
何より製品コンセプトを強く意識したことでNIKKOR Z レンズの中でも動画撮影のことを考え抜いた最適解レンズに仕上がっています。
この結論に至った理由を語る前に本レンズがどういったものなのか、軽く振り返りましょう。
NIKKOR Z 28-135mm f/4 PZ とは
小規模プロダクションやPR収録にイベント撮影、ライブ配信に加え私のように複数の役割を担当するワンオペ撮影時に役立つ動画制作の可能性を拡げてくれるフルサイズ(FXフォーマット)対応のNIKKOR Z レンズ初のパワーズームレンズです。
特徴のズームレバーではレンズ交換をすることなく28mmから135mmの焦点距離域をカバーしています。


操作性、高い光学性能を実現しつつ機動力や機材の最小限化を実現してくれる「動画制作ならコレ一本」というレンズです。
レンズ仕様【一部抜粋】
- レンズ構成は13群18枚
- EDレンズ3 枚、ED非球面レンズ 1枚、非球面レンズ4枚、
- コーティング技術
- メソアモルファスコート、最前面のレンズ面にフッ素コートあり
- 寸法 約105mm(最大径)×177.5mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)
- 質量 三脚座を含め約1210g(三脚座なしでは約1120g)

VANGUARDのカメラバッグ(VESTA ASPIRE 41)にレンズフードや三脚座(取り外して)何とか収納できるサイズ感です。

動画特化のレンズだからこその魅力がある
パワーズームを用いたズーミング速度は11段階(-5から0を含め+5)から選択可能でズーミング中の速度を変化させるイーズイン、イーズアウトを用いた撮影も可能です。

インタビュー中などはゆっくりとズーミングしたり、離れた場所で起こった予想外のアクションは高速ズームで捉えたりと、シーンに応じて適切なズーミングが選べるのも魅力です。
またカメラ側がハイレゾズームに対応していればZ9やZ8での4K撮影時には270mm相当、Z6IIIでは最大1.4倍(189mm相当)の望遠撮影が可能となります。

※エクステンド式とシンクロ式から選べます。
※エクステンド式は光学ズーム中心で広角から望遠へ大きく動かす場合にオススメです。
※シンクロ式はパワーズームとハイレゾズームを同時に動かすため安定したズームを実現できます。

最近のレンズらしく最短撮影距離も優秀で焦点距離が広角端の28mmで0.34m、望遠端135mmでは最短撮影距離0.57mで撮影が可能です。
他には重心移動を最小限に抑えるインターナルズーム機構を採用しているため広角端から望遠端までのズーミング時の重心の移動も約2mmに抑えていることからジンバル運用時でも快適かつ柔軟に焦点距離を選ぶことが出来ます。
加えて単体でも完成度が高いレンズなのですが、業務用の動画撮影用のアクセサリーとしてマットボックスやフォローフォーカス(ギアモジュール0.8対応)に対応していることから動画制作の構成に本レンズを組み込むことも可能です。
もちろんNIKKOR Z レンズとしてフォーカスブリージングも抑制されており、S-Lineではなくても描写性能は必要十分に素晴らしくコーティング技術等もシッカリ施されています。


動画特化レンズとして完成度が高いと思った理由
では、次に私が【NIKKOR Z レンズの中でも動画撮影のことを考え抜いた最適解レンズ】という結論を出した理由です。

もちろんNIKKOR Z レンズは全体的に動画を意識されている部分もあるので「他のレンズでも動画を快適に撮れる」のは事実です。

映像制作に振り切っている方や動画の撮影頻度が多い方からすると「そうそう、この機能が欲しかった」を詰め込んだレンズとなります。
逆にNIKKOR Z レンズの多くは動画にも使える一方、やはり静止画を意識しているところがありました。
本レンズは逆に静止画にも使える一方、他のNIKKOR Z レンズでは満たすことのできなかった動画ユーザーのニーズ、リクエストを叶えてくれたレンズとなります。
使ってみて思ったところ
意外と撮影結果は大差がない(凄いこと)
本レンズを用いて撮影を試したところ、意外と撮れる映像(結果)としては他のNIKKOR Z レンズと大きな差がないなと気づきました。
Z8 4K 30p SDR サクっと撮ってみた動画
使用したカメラ
確かにパワーズームの利便性や動画特化の操作性は素晴らしいのですが、それは撮影時に実感することであって、撮影結果は他のNIKKOR Z レンズ同様に素直な色作りと優れた描写性能を楽しめます。
これは各レンズによるバラつき少ないNIKKOR Z レンズの魅力でもあり、今まで登場しているNIKKOR Z レンズ達が優秀でもある証拠でもあります。
ただ、動画収録時の効率などは圧倒的にNIKKOR Z 28-135mm f/4 PZが上なので撮れる映像に差はなくても撮影者の負担を少なくすることが出来るのは素晴らしいというか、偉大です。
色々と検証【ハイレゾズームなど】
動画特化レンズが登場したことが大事
このレンズが登場したことや動画業界で権威性のあるREDを子会社化したこと、ニコンが動画市場に本気であることが伝わってきます。
またレンズのマウント部がニコンイエローとなっており、RED社のシネマカメラのマウント部と揃えてきているのも「Z CINEMA」を意識している証拠だと思います。
実際にCP+2025のニコンブースでも動画コーナーではRED社のシネマカメラとNIKKOR Z 28-135mm f/4 PZ の組み合わせで展示されていました。
![V-RAPTOR [X] Z Mount|KOMODO-X Z Mount|Z CINEMA](https://jimatube.com/wp-content/uploads/2025/02/image-7-1.jpg)
今までNIKKOR Z レンズやニコンのミラーレスに対して”ニコンで動画を撮る理由がわからない”という層に”もう言い訳させないよ”という良い意味で外堀を埋めている感が素晴らしいと思います。
とはいえ、万人受けではない【必要な人が選ぶべきレンズ】
色々な魅力のあるレンズですが、みんなが買うべきレンズではありません。
もちろん、静止画含め快適に利用できるレンズなので使い勝手は良いですが、あくまで今までニコン Zマウントシステムで動画を撮っている方が「より快適にレンズ側の改良もあって使える」という話です。
もし、超望遠や超広角のように本レンズでしか撮れない世界があるのであれば導入をオススメしますが素晴らしいことにNIKKOR Z レンズは静止画であれば他のS-Lineを含め選択肢は豊富です。
動画撮影時のアクセサリー類やパワーズームに強く憧れる方が購入するべきレンズかなと思います。
もしくは動画撮影がメインの小規模プロダクションや配信・収録担当の方が購入すると日々の作業効率が飛躍的に向上すると思います。
やはり専門特化のレンズはわかりやすく効率がよくなり「動画なら、コレ1本」という感覚です。
また本レンズだけではなく、予算を考慮するとNIKKOR Z 24-120mm f/4 S も優秀です。
加えて広角端28mmが物足りない方はNIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S や NIKKOR Z 14-30mm f/4 S、望遠が欲しい方はNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S なども併用するのがオススメです。

まとめ
NIKKOR Z 28-135mm f/4 PZ はニコンZマウントのFX(フルサイズ)でも使えるパワーズーム対応レンズです。
DX(APS-C)では、NIKKOR Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VR がパワーズーム対応レンズとして登場していますが質感やコンセプトが大きく異なります。
本レンズは動画特化として、ニコン Zマウントシステムの動画に対する本気度をカメラ側のアップデートだけではなくレンズ側でも証明したものになると実感しました。
静止画(写真)重視であれば、他にも選択肢の多いNIKKOR Z レンズとして、万人受けというわけではありませんが、動画を撮ることが多い方には作業効率を圧倒的に向上させてくれるレンズです。
ニコンイエローのレンズマウント部の製品が本製品で打ち止めとなるのか、追加で続々と登場するのか今後に期待したい所です。
皆さんのNIKKOR Z 28-135mm f/4 PZ の印象をYouTubeのコメント欄で教えてください。