こんにちは🌟
写真家のJimaです(^^)
はじめに
今回は、ニコンより新たに登場する単焦点レンズ NIKKOR Z 50mm f/1.4 をポートレート撮影に利用した印象・感想を3つのテーマに分けて解説します。
前回の記事でレンズ本体の外観や特徴、スナップ撮影の作例を紹介しました。
柔らかい印象に仕上げてくれるレンズで、ニコン公式もポートレートムービーなどを多用していることから気になっている方も多いと思います。
普段から人物を撮る方、ポートレートに興味がある方の参考になれば嬉しいです。
気軽な開放F1.4シリーズの楽しさ
ボケ味と描写のバランス
まず、このレンズの一番の特徴である開放F1.4のボケ味について語りましょう。
開放F値1.4 焦点距離50mmはレンズの外観からすると想像以上に優しく、とろけるような表現が楽しめます。
背景をぼかして人物を際立たせる、そんなポートレートらしい写真が簡単に撮れるのは嬉しいポイントです。
ただ、既にNIKKOR Z 50mm f/1.2 Sという、より高性能なレンズが存在する中で、このレンズは「程よい」という印象を受けました。
レンズの登場順次第ですが開放F値1.2のような圧倒的なボケを求める方には物足りないかもしれません。
ポイントは作例にあるような開放F値1.4で十分に美しいボケを楽しむことができるレンズを10万円以下という価格で買えることが魅力です。
もちろん描写性能やボケ味など欲しいものを詰め込んだNIKKOR Z 50mm f/1.2 S がありますが、約30万円で10%オフクーポン適用で27万円と約3.5倍です。
またサイズ感も大きく異なるので、ご自身の撮影スタイルにどの50mmがあうのかを想像して選ぶのが良いかなと思います。
室内での使用感
このレンズが発表となった9月はまだ暑く、モデル様も私自身の体調を考慮して室内にて撮影しました。
ストロボ撮影では、特に問題なく快適に使うことができました。
NIKKOR Z 50mm f/1.8 S などを利用した際と大きな差はなく気になることもありませんでした。
ただ、窓際で自然光を用いた撮影のタイミングで驚きました。
カーテン越しの柔らかい光を受けた部分がソフトフィルターのような効果が出ていました。
ホワイトミストフィルターを付けている感覚になり、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S との違いが明確でした。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 S も含めてですがS-Lineは色収差等を高品質レンズやコーティング技術により抑制しています。
対して、NIKKOR Z 50mm f/1.4 は素直かつ柔らかい印象の写真に仕上がりました。
これは、このレンズならではの面白い特徴のひとつで、この優しさが好みの方が買うべきレンズだと思いました。
NIKKOR Z 50mm f/1.8 S と大きな価格差がある場合は価格面で選ぶという考えもありますが、まさかの同価格帯ということは「好みで選べる」ということです。
ちなみに左側がH&Y Filters Japanのブラックミスト 1/8 を付けています。
右側はNIKKOR Z 50mm f/1.4 です。
ブラックミスト等のソフトフィルターは全体が柔らかくなりますが、NIKKOR Z 50mm f/1.4 はピント面はシッカリ写ってる印象です。
屋外での使用感
屋外での撮影では、シッカリとS-Lineとの違いをシッカリと堪能できました。
強い光が当たる場所の程よいフリンジや背景ボケの優しさをレンズの個性を楽しむことができます。
特に逆光での撮影では、フレアが美しく、幻想的な写真が撮れたことが印象です。
誤解なきようお伝えしますが、あくまで柔らかいのは表現を支えるボケ味の表現であってピント面は必要十分にシャープで精密な描写です。
もちろんS-Lineのようなバチバチ解像ではありませんが、オールドレンズとは異なります。
そして何よりコンパクトな質量で、このボケを得れるのは大きいなと思いました。
室内では機材の重さなどは気にならないですが、常に持ち歩く屋外では質量やサイズ感は重要です。
撮影時の利用イメージ
AF性能
動画冒頭ではフォーカスリングをグルっと回しています。
数時間の撮影中もAFに戸惑うこともなく快適に利用できました。
特別、「爆速AF」というわけではありませんが開放F値1.4という浅い被写界深度でもシッカリと瞳AFが効いています。
焦点距離と画角
焦点距離が50mmなので、人物全体を捉えつつ背景も程よくぼかせるのが良い点です。
ポートレート撮影に利用されることの多い中望遠レンズに対して画角内に情報を入れることも容易なので構図の自由度も高いなと思いました。
また単焦点レンズなので「足で稼ぐ」、自分で動く必要がありますが高画素機であればFX/DXの撮像範囲切り替えで75mm相当を併用することが快適でした。
F値別のボケ味比較
皆さんも気になるF値の変化を動画で用意しました。
背景のカーテンや花の飾りなどインテリアがクッキリ写るようになります。
作例
前回はスナップ撮影の作例(ピクチャーコントロールはニュートラルとモノクローム)を紹介しました。
今回はRAW現像した作品を紹介します。
画面キャプチャの関係で赤色が強く出ていますが参考に貼っておきます。
もし、作品でなく作例が見たい方に向けてリッチトーンポートレートの動画をご用意しました。
H.265 10bit SDR 60p|PC:RP|2x-slow 30fps
H.265 10bit SDR 60p|PC:RP
まとめ
▼YouTubeでも解説しています|チャンネル登録よろしくお願いします
NIKKOR Z 50mm f/1.4は開放F1.4の大きなボケ味と柔らかい描写を気軽に得れるレンズです。
ポートレート撮影はもちろん、スナップ撮影など様々なシーンで活躍してくれる万能レンズです。
もし、ポートレート撮影を始めたい方や、より表現の幅を広げたいと考えている方は、このレンズを試してみるといいなと思います。
機材協力
・株式会社ニコンイメージングジャパン
・H&Y Filters Japan(SMDV)
・ニッシンジャパン株式会社
・Nextorage株式会社
・株式会社ガードフォースジャパン(VANGUARD)
・株式会社浅沼商会(Fotopro)
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