こんにちは🌟
写真家のJimaです(^^)
今回は今のニコンに期待できない・期待しにくいことについて紹介します。
私を含め、愛用者の多いニコンというカメラメーカーは歴史があり、柔軟に時代の変化とともにその製品戦略も大きく変化していることが特徴です。
特に「これからのニコンに何を期待できるか」を考えるとき、現実的に“期待しにくい領域”を正しく理解することは重要です。
でないと「ニコン、コンデジ出してよ」(ネタバレ)という寂しい片思いになってしまいます。
ここでは、近年の市場動向やメーカーの戦略方針を踏まえ、ニコンに期待できない点を冷静に掘り下げていきます。
ニコンは高単価路線を重視している
ニコンは現在、IR資料でも発表されている通り明確に高単価路線を意識した製品展開を進めています。
Zシリーズのボディラインナップを見ても、エントリーモデルが最近になって充実してはいるものの、基本は上位機種に注力しているように見えます。
DX機(APS-C)も数種類ありますが、フルサイズ機を含め、レンズも高単価なものが並んでいます。
この戦略の裏返しとして、低価格帯のコンパクトデジタルカメラ(いわゆるコンデジ)などには、ほとんどリソースが割かれていません。
高単価路線を維持することでブランド価値を高め、企業として売り上げを維持する狙いがある一方、手軽に撮れるカメラを求めるユーザーにとっては、やや敷居が高い現状です。

Z5IIやZRなど、製品コンセプトなどを考えると敷居は低いフルサイズ機は増えています。
高精細・動画性能重視の方向性
近年のニコンは、スチル写真だけでなく動画性能を重視した開発を続けています。
Zシリーズでは、4Kや8K動画撮影、RAW動画出力など、映像クリエイター向けの機能が充実しています。
加えて、Z CinemaシリーズとしてZRも発表されました。
この技術的な方向性を踏まえると、レンズ交換できず小さいカメラボディに詰め込むコンパクトデジタルカメラは今のニコンの方針とは合わない印象です。
光学性能に優れたニコンの強みを最大限に生かすには、小さいカメラよりも大きくてシッカリ写し撮るカメラが中心になるのは理解が出来ます。
つまり、動画や解像度、新たな撮影体験への挑戦、提供に力を入れるニコンにとって、コンデジは戦略外の製品となっているのが実情だと思います。
COOLPIX Aシリーズの再受注は期待したい
かつてニコンの代名詞とも言える存在としてCOOLPIXシリーズがありました。
今も大きいタイプのCOOLPIX P1100など望遠に強いレンズ一体型カメラは残っていますが、軽量で扱いやすい、Aシリーズなどは旧製品となっています。
一時期はコンデジ市場でも人気だったCOOLPIX Aシリーズですが、スマートフォンのカメラ性能が飛躍的に向上したことで、コンデジの存在意義は薄れていきました。
現在のCOOLPIXは、Pシリーズを覗き販売終了や旧製品扱いが多く、新モデルの登場も長らくありません。
これは、ニコン自身がこの領域から今のところは距離を置いており、優先度が高くないことを意味しています。
ひとりのニコンファンとしてはCOOLPIX Aシリーズの最新作ではなく、USB端子をType-Cなどにした今の時代に合わせたマイナーチェンジとして出してもらえるだけでも嬉しいなと思います。
もし登場するなら高価格なレンズ一体型
仮に今後、ニコンが新たなコンデジを投入するとしたら、価格帯はかなり高額になる可能性があります。
最近の市場トレンドを見ると、ソニーのRX1R IIIや富士フイルムのGFX100RFなど、レンズ一体型の高級コンパクトカメラが人気です。
この流れを踏まえれば、ニコンが再び参入する際も「60万円前後の高級志向モデル」となることが予想されます。
いわば、手軽なコンデジではなく高品質なレンズを交換させずに堪能できる高画素機としてレンズ一体型のハイエンドカメラという位置づけなら、戦略的にもアリだと思います。
10万円や30万円のコンデジとなるとGRシリーズなどが定着している今となっては参入の障壁は高いだろうなという印象です。
また、30万円などの価格帯はすでにZシリーズ・Z Cinemaシリーズの標準機(Z5IIやZR)競合するため、メーカーとしても投入判断が難しい領域でもあります。
GRシリーズの存在と市場の壁
現在、コンデジ市場で圧倒的な存在感を放っているのがリコーのGRシリーズです。
特に最新のGRIVを購入した身としては、APS-Cかつボディ内手ブレ補正があり、起動も早くサクサクと撮影できるのは圧倒的だなと実感しています。
携帯性・描写力・操作性のバランスが優れており、「スナップシューターの定番」として確固たる地位を築いています。
供給量が大きな問題となっていますが、GRIVx(仮)などが登場することを考えると、この分野において、ニコンが新規参入しても勝負になる可能性は低いのが現実です。
そのため、ニコンがこの分野(コンデジ)で参入するには、過去のCOOLPIX Aシリーズの再受注で開発コスト等を抑えるか、レンズ一体型カメラで高単価(60万)の高画素機などを出すぐらいしかうま味がないという印象です。
ニコンファンとしての割り切り
長年のニコンファンとしては、かつてのCOOLPIX Aシリーズのようなモデルの復活を期待したくなる気持ちもあります。
しかし、メーカーの戦略や市場の変化を見れば、もはやコンデジに大きなリソースを割く時代ではありません。
カメラ業界は限られた開発力をどこに集中させるかが鍵であり、ニコンは明らかにZマウントシステムの拡充を最優先しています。

ファンとしては寂しさもありますが、これも企業としての合理的な判断と言えます。
「期待しない」というよりも、「割り切って見守る」姿勢が必要な時期に来ているのかもしれません。
私なりの結論
私自身、過去にはCOOLPIXを愛用していましたが、今はGRIVを購入し、コンデジ熱はひと段落しています。
高画質・携帯性・速写性のバランスが取れたGRシリーズは、現時点で最適なスナップカメラと感じています。
そのうえで、ニコンにはあえてコンデジではなく、よりクリエイティブなZシステムの進化を期待しています。
高精細・高感度・高耐久といった本質的な性能にこそ、ニコンらしさがあります。
これからも「安価な便利さ」よりも「撮影体験の質」を追求するブランドであり続けてほしいと感じています。
コンデジ市場ではなく、ニコンらしい方向での進化を静かに見守りたいというのが、今の私の結論です。

