PR

ニコン ZR 誰のためのカメラ? 【買うけど、違和感が色々ある話】

こんにちは🌟
写真家のJimaです(^^)

質問をいただきました

ZR 買うそうですが、なぜですか?
知ってますか?
動画向けのカメラですよ。

私、ZR 買います。

はじめに

ニコンより動画に特化したカメラ ZR が発表されました。

Zシリーズとは別物として、Z Cinema として登場であること、動画特化の機種であることに加えて約30万円というコストパフォーマンスの高さと色々と気になる点(ダブルレックやメモリーカードなど)指摘されることも多く、SNSで話題になっている場面を見かけます。

そんな、ZRですが動画クリエイターの中でも好意的、否定的な意見が混ざっており面白いなと思います。

そんな中、メインはスチル(写真)の私はZRを買います。

その考えに至った理由と、プロモーションではなく「ひとりのニコンユーザー」としての考えを共有します。

ZR
▼レビュー動画はコチラ

まず、ZRって何?という話

ニコン ZRは、動画に特化した新しいタイプのカメラとして登場しました。

ニコンが映像事業の課題として動画市場を開拓し続けて、早くも6年ほどになります。

Zシリーズでは静止画・動画どちらも優秀な機種が立て続けに登場していました。

ただ、静止画(スチル)に強いカメラで動画となると、操作性も違和感があり「動画が、しつこい」状態でした。

私も同じく「動画は動画機でやって」という感覚でした。

それが、映像業界で著名なRED社を完全子会社化して実現したZ Cinemaシリーズで「動画特化」という形が出来たことは嬉しいです。

ZR

動画よりも静止画で見てしまうZR

そんな、ZRですが、ニコンZマウント対応のフルサイズ機でありながら約630gという軽量ボディを実現しているため、長時間の撮影や持ち歩きにも負担が少ないのが特徴です。

Z5やZ6、Z7など初代のZシリーズは約675gでしたが、後継機では約705gや760g、Zfも約710gと、ある程度の重さがあります。

ここにレンズを付けるとZシリーズのフルサイズ機は約1kgが標準という感覚です。

そこに、約630gかつ部分積層型CMOSセンサーを搭載し、さらにメカシャッターレスとして登場したZRは私が待ち望んでいた機種です。

メカシャッターレスなら、シャッター耐久の心配もなくなり、静音性も高く、NIKKOR Z 26mm f/2.8と組み合わせることで、最軽量なZマウントのフルサイズ構成を実現できるのは最高です。

何より、ZRの静止画性能はZ6IIIと類似している部分も多く、高い描写性能を備えながら動画機能が一層強化されている点が大きな特徴です。

操作系が動画特化になっているため、静止画撮影には癖があることは留意が必要ですが、それ以上に携帯性に価格を考えると、私は「買いの一択」でした。

ZR

動画特化なのに“誰のための機種”か

ZRには動画ユーザーを意識した本格的な機能が搭載されています。

RED社のカラーサイエンスやワークフローを実現しており、ニコンのカメラ向けに設計されたRAWフォーマット「R3D NE」の内部収録が可能という点は他社に対して優位になるポイントです。

また、ZRは内蔵マイクも力を入れており32bit floatの録音に対応しています。

ダイナミックレンジの広い録音ができ、小さな声での会話や突然大きな音が鳴るシーンの撮影などでも、歪みのないクリアーな音声を収録できます。

3.5mmのステレオミニジャックマイクなど外部機器でも32bit floatの収録が可能で、OZO Audio技術を使うと、内蔵マイクの指向性(集音方向)を一部、制限はありますが使えることも魅力です。

他にも優れた手振れ補正や4.0型の大型液晶も高評価です。

ZR
ZR

とはいえ・・・。

そんな、魅力的なZRですが、一方で動画制作の現場で求められる「シネマカメラ」と比べると、どうしても標準というか、入門機的なポジションに収まります。

価格に対して、必要十分なカメラであることは事実ですが、本格的な映像業界で使うメイン機材として利用するには「他の機種を使うよね」という状態です。

つまり「本格的な映像制作を試してみたいが、大掛かりなシステムには手が出しづらい」というユーザー層や趣味として高品質な映像を楽しみたい動画クリエイターにこそ、ZRはオススメだと思います。

▼レビュー動画はコチラ

【大事な話】趣味で動画を撮りますか?

ZRはRAWフォーマット「R3D NE」の内部収録や予算を抑えつつ、動画制作を楽しみたい方には魅力的な機種です。

ただ、私自身、日常的に動画を撮ることはありますが、その多くはスマートフォンやDJI Osmo Pocket 3 を選びます。

理由はスマートフォンはショートクリップなら、いつでも手元に持っていること。
Dji Osmo Pocket 3は4K収録、適度なボケ味、コンパクトで手ブレ補正が凄く、ワイヤレスマイクも便利という感覚です。

一般的な動画や記録撮影程度であれば、この2つの機材で十分対応できる場面が多く、わざわざフルサイズのZRを持ち出す機会は限られています。

仕事や意味合いの大きいライフイベントなら撮るかもしれませんが、普段から今の写真の感覚のように気軽に動画を撮るのは、今の時点ではこだわり派になると思います。

これは後々、動画編集ソフトなどが今以上に強化されることで解消されることかもしれません。

しかし一方で、ZRが手元にあることで「REDの色味で動画を試してみよう」という気持ちが生まれるのも事実です。

そう考えると、ZRは趣味で動画を楽しむ際の入り口や、色々と動画記録ファイル形式を学ぶキッカケとなるカメラとして意味があります。

ZR

他機種との比較で見えるポジション

私を含め、YouTuberやVloggerにとって、小型軽量なOsmo Pocket 3やAPS-C機で十分というケースも多いです。

小型で安価、データ容量も抑えられており、高スペック環境でなくても編集がしやすく、配信や日常的な動画投稿の用途であれば、便利な場合も多いです。

毎回、RAW動画で収録して、グレーディングするのは「綺麗な映像」そのものがコンテンツになっているアカウントぐらいです。

ではZRはどこに位置付けられるのかというと、「本格的なグレーディングや映像制作を視野に入れた層」への訴求です。

単に撮って出しの動画を配信するのではなく、色を追い込み、作品として仕上げたい人にとって魅力的な存在となります。

そんな中「ZRで気軽に動画を試せばいいよ」という切り口も理解できますが、それならZ50IIやZ5IIも視野に入ります。

「どこまで動画に振り切りたいか」で考える必要があります。

結果として、ZRは「動画を学びたい」「映像を深めたい」という限られた市場に向けた製品という印象があります。

ZRの想定ターゲット層

SNSでは色々と槍玉にあがるZRですが、判断するうえでターゲット層を整理してみましょう。

ZR
本格動画クリエイター

気軽な案件なのであれば必要十分ですが、大規模撮影や商業映像ではZRは力不足です。
そもそも約30万円のカメラに大規模な案件を任せるべきかを考えてほしいです。

もっと上位のシネマカメラも他社より発売されているので、選ぶべきカメラを選ぶべきです。

趣味で楽しむ動画クリエイター

いわゆるVlogger・YouTuber・SNS投稿者にはRED監修の色味で遊べることや、数多くの高品位フォーマットを気軽に試せる点が魅力です。

学習やステップアップの入門~中級機として最適です。
動画に興味のある人もZRを持つことで色々と可能性が開ける場合があるのも面白いです。

写真メイン+動画も少し撮りたい層

ZRはZ6IIIに並ぶ静止画性能を持ち、さらに動画強化がプラスされるため、旅行や取材などでもバランス良く活躍できます。

ただ、写真メインなのであればZ6IIIも価格見直しで手の届きやすい価格になってるため、素直にZ6IIIを選ぶのが無難です。

今まで動画に興味がなかった人もZRを持つことで色々と試したくなる環境が揃うことは大事です。

動画を撮らない静止画ユーザー

ZRは動画メニューが重視されているため、純粋に静止画だけを撮るならZ6III、個人的にはZ8を検討してもらうのが良いかなと思います。

ZR 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2
ZR 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2
ZR 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2
ZR 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2

つまり、自分がどのユーザー層なのかを把握することが大事です。

ZRの気になるところ

ZRは動画特化なので、正直なところ万能ではありません。

今まで「Zシリーズは静止画ベースなので、動画を撮りにくい」と言っていたインフルエンサーは動画に特化したZRが出たので、買うべき製品です。

ただ、そういったインフルエンサーは「ZRは”この機能が物足りない”」と何かと理由付けて買いません。

なので、ZRは「買わない人は何があろうとも買わない」、そして私のように「買う人は買う」カメラです。

そんなZRで気になるところがあります。

  • 本体が発熱しやすく、常にホカホカしている
  • 物理ボタンが少なく機能の割当に工夫が必要
  • グリップ部がフラットで持ち続けるには工夫が必要
  • 操作性が動画機能を優先して設計されているため、戸惑いがち
  • 右側の持ち手スペースが小さく、背面液晶に不意に手が当たり誤操作となることも多い

つまり、価格と機能は素晴らしいけど、日常使いとしては癖があるため慣れる必要がある。

こうした課題を踏まえると、ZRは「誰でも使いやすい万能カメラ」ではなく、「動画を試したい人」にフォーカスした機種だと理解するのが妥当です。

ZR
ZR

静止画ユーザー視点からの“買う意味”

私のように静止画メインのユーザーにとってもZRは無視できない存在です。

メカシャッターレス仕様により、シャッター音がなく取材現場など静音が必要な環境で便利です。

また、約630gという軽量フルサイズ機は、長時間の持ち歩きや旅行撮影にも適しています。
動画をあまり撮らなくても、静止画性能自体がZ6IIIと同等であるため、不満を感じることは少ないでしょう。

つまり、「動画を活用しなくても、コンパクトなことに魅力を感じる人が買うカメラ」と言えます。

「買う意味があるか?」の結論

静止画中心ユーザーにとっては、小型軽量で静音撮影ができるという点で十分に買う意味があります。

趣味で動画を楽しみたい人にとっては、高機能ながらコストパフォーマンスの良い入門~中級機として魅力的です。

しかし、本格的な映像制作を前提とするユーザーにはZRだけでは不足する部分が多いため、別の選択肢を検討すべきです。

このように、ZRは「立場によって価値が大きく変わるカメラ」であることがわかります。

あくまで、約30万円で色々な撮り方が試せるということに価値を見出してほしいです。

あとがき

私自身、ZRは主に静止画目的で購入を考えています。

趣味で動画を撮ることもありますが、その多くはスマートフォンやOsmo Pocket 3で対応しています。

ZRは縦横位置の記録も対応したことから、縦動画を撮る機会は増えるかな?という程度です。

もっと言うと、ZRより前に登場していたZシリーズも動画性能が優秀だったということが証明されたのは面白いなと思います。

今から発売日が楽しみです。

▼レビュー動画はコチラ
▼関連記事 - Nikon ZR -
この記事を書いた人
Jima
Jima
写真家

こんにちは(^^)
写真家のJimaです。
フォトスタジオのディレクター兼フォトグラファーとして従事。
管理職として得た経験と知識を活かして法人設立、代表に就任。

写真撮影の手法や技術、機材の特徴解説など情報発信に加え
公募展へのゲスト出展やメディア寄稿、写真集の販売など活躍の場を広げる。

◆YouTubeチャンネル|カメラ塾【JimaTube】
https://www.youtube.com/@jimatube
カメラや写真、 撮影知識の情報を「楽しく学ぶ」をコンセプトに発信中

Jimaをフォローする
00_all01_Camera
Jimaをフォローする
タイトルとURLをコピーしました