こんにちは🌟
写真家のJimaです(^^)
今回は約4年前(2021年12月)に発売となった、ニコン フルサイズミラーレスカメラ Z9 について過去に投稿した動画のアップデート版となります。
質問をいただきました

こんにちは。
友人が急にフラッグシップ機を買いました。
購入理由は「自分の趣味にお金をかけたくなった」でした。
どう思いますか?

自分にお金をかけること、自己投資をして研鑽すること良いと思います。
後日、私なりの考えや過去の流れからの変化を解説します。
フラッグシップ機の印象や価格に対する環境が変わりつつある
以前の動画はZ9登場後であり、今ほど多くの方がフラッグシップ機に触れる機会が少なかった時代。
フラッグシップ機は「プロが使うもの」という強いイメージがあった時代の話です。
もちろん、今でも、その風潮やイメージはあります。
ただ、以前に投稿した動画から約3年間を経過した今はキヤノンからEOS R1、ソニーから2世代目となるα1 IIが登場しています。
加えて、高級コンデジの枠を超え、レンズ一体型カメラとして富士フイルム GFX100RFやソニー RX1R III がインフレ時代とは言え、以前のフラッグシップ機に近しい価格で登場しています。
他にはライカやハッセルブラッドなど100万円超えも珍しくないカメラブランドもマーケティングの変化もあってか、少し身近になっている今こそ、フラッグシップ機の認識をアップデートしておきたいと思います。
もっと言うと、当記事の執筆時点では登場から約4年が経過する ニコンのフラッグシップ機 Z9の後継機が登場した際の心構えとして共有したい内容です。
カメラは誰でも自由に買える
私はカメラの特徴のひとつに、どの機種でも免許や資格、経験などが購入時に不要であることが面白いなと思っています。
車やバイク、ドローンなどは運転・使用する際に免許や許可が必要ですが、カメラはマナーやモラルは重要ですが、特に厳しい購入条件はありません。
逆に購入条件として最近、目立っているのは「転売目的はダメだよ」や「一人一台までだよ」といった供給難に対する予防線程度です。
それ以外は特に気にすることなく、カメラの購入代金を持っていけばカメラ売り場の店員さんも笑顔で売ってくれます。
Z9が撒き餌フラッグシップ機として大人気となった
以前の動画は「Z9をプロ以外の人が買うこと」に対して、SNS等でも盛り上がっていた時期でした。

それは言い方を変えればプロ以外の方でも買いたいカメラであり、買っていたカメラだからです。
理由もそのはずで、当時のZ9は69万円で登場していました。
量販店などポイント還元を考えると10%オフなので、実売は63万円前後でフラッグシップ機が買えたのです。
さらに、当時の画像処理エンジンEXPEED6とZ9が採用したEXPEED7は動体撮影やAF性能に関して大きな力量差がありました。
ニコンはFマウント時代からですが、時折バーゲンプライスのように思える機種を出してくるのが面白いです。

ちなみに、発売から4年が経過したZ9の価格はニコンダイレクトで772,200円(約80万円弱)です。
10%オフクーポンで70万円ほどに加え、10万円相当のメモリカードのプレゼントがあるので実質60万円ぐらいで買えるという形になっています。

ちなみに中古市場では、状態にもよりますが45万円ほどで流通しています。
買取価格は約30万円というのが現状です。
これはZ8が登場した際に入れ替えた方も多かったこともあり、Z9は売りに出ることが多かった機種でもあります。
もしZ9II(仮)が登場した際は、入れ替え勢の売りも増えそうです。
フラッグシップ=プロ機というイメージがあった
カメラのカタログ等を見ていても「プロユース」や「過酷な環境でも」という表記がフラッグシップにはあります。
ただ、実際には「特定の写真に関する協会に所属している写真家のみ利用可能」や「撮影で生計を立てている方のみ使用可能」「写真活動歴10年以上」みたいな厳しい購入、使用条件のあるプロ専用のカメラが存在するわけではありません。
便宜上、プロ用やアマチュア用カメラといった分け方がされているだけです。
だからこそフラッグシップ機も、遠慮することなくプロとして活躍している方ではなく、趣味の方もて「欲しい」と思った人が買って使っていいのです。
何より、趣味として楽しむうえで、プロが使っている機材で揃えるということは、とても大切です。
ここで言う「プロ」とは、特定の専門分野で高い知識や技術を持ち、それを職業として報酬を得る「専門家」のことです。
作品性を追求する写真家もあれば、依頼元のリクエストに応じる職業カメラマンなどがあります。
フラッグシップ機がもたらす安心感
フラッグシップ機には、他の機種にはない安心感があります。
それは、過酷な環境でも使い続けることが可能で、故障などにも強い「堅牢性や耐久性」です。
さらに、どういった環境でも撮り続けることが出来る「信頼性」もあります。
報道やスポーツシーンなど様座な場面で雨や砂埃、低温や高温といった過酷な環境であっても動作し続けるように設計されています。
他の機種に比べると「壊れるかも」という心配は少なくて済みます。
また、最近のフラッグシップ機は堅牢性に加え、撮影効率も飛躍的に向上しています。
Z9であれば高速連続撮影やオートフォーカス性能、動画機能も惜しみなく盛り込まれています。
どういった撮影シーンでも細かく設定を変えることのできるカスタマイズ性も魅力のひとつです。
最新技術を先取りして長く使える
メーカー問わずフラッグシップ機は、常に各カメラメーカーの最新技術が投入されています。
その多くは過去の流れからしてオリンピックやワールドカップなど国際的なスポーツイベントなどに合わせて「4年から5年先を見据えた性能」を持ち、一般的な機種よりも長いスパンで第一線で使い続けられるように設計されています。

さらに、Z9でも注目されましたが、最近はカメラ購入後にファームウェアの更新によって新機能が追加されたり、性能が改善されたりするケースも増えています。
これはZ9に限らずZ8なども2年後に大型ファームウェアの更新により、購入から数年経っても進化を感じられるのは大きな安心材料となっています。

ここ最近のカメラは初期投資は決して安くなく、正直「高い買い物」になっています。
ただ、ファームウェアの更新などで、買い替えの頻度を抑えられるため、長期的に見ればコストパフォーマンスは高いのではないかと思えるようになりました。

つまり、プロが仕事で選ぶカメラを趣味で撮影を全力で楽しむ人が使っても大活躍してくれるのです。
写真を撮る人であればプロやアマチュアや関係なく「絶対に残したい瞬間」があるものです。
その時にカメラ側での失敗を最小限に抑えてくれるのがフラッグシップ機ならではの価値です。
カメラに手伝ってもらう(機材の力は大きい)
ちなみに、フラッグシップ機は色々な撮影シーンに対して機材の力でカバーできることが多いです。
秒間の撮影可能枚数や動き物に対するAF性能など機材の力で助かる場面も多くあります。
これは撮影に慣れている方が扱うと効率につながり、撮影に慣れていない方からすると安心につながります。
つまり、慣れていないうちは逆に良いカメラを使ってしまうという考え方もあります。
安心して撮れるカメラで撮り続け、撮影が楽しいと思えたのちに「小さいカメラも欲しいな」という感情が湧いてきたらコンパクトなカメラを探せばいいと思います。
その時、「えっ?フラッグシップなら出来ていたのに」と、気づくことも多いはずです。
それだけ、カメラ(フラッグシップ)に撮影を手伝ってもらっている証拠でもあります。
Z8の存在も大きい
実はフラッグシップ機の魅力もある一方で、最近は各カメラメーカーの上位機も高性能になっています。
ニコン Z8、キヤノン EOS R3、SONY α9III 辺りですね。

Z8はZ9のDNAを継承するという形で小型軽量化しつつ、EOS R3は今も人気機種ですが、EOS R1が登場するまで縦横一体型として活躍していました。
α9IIIはグローバルシャッター方式のCMOSセンサーを搭載しており、フラッグシップ機とは異なる撮影体験を実現しています。
フラッグシップ機がサイズ、質量面から長期的に利用することが難しい方は各カメラメーカーの上位機を選ぶのも良いなと思います。
趣味だからこそ楽しめる贅沢
もうひとつ、フラッグシップ機に対して、プロは必要だから購入することが多いです。
対して、趣味として写真撮影を楽しむ場合は「好きだから」や「カッコイイから」で選べることも強みです。
高性能な機材を所有することで撮影意欲が湧き、外出のきっかけが増えたり、普段とは異なる撮影対象などに興味が湧くのも人生の充実感を得るために大切な要素です。
これは単なる撮影に使う機材・道具を超え、自分のライフスタイルを豊かにする贅沢な選択肢だなと思います。
趣味は楽しむためにあるもの、だからこそ「贅沢すぎるのでは」と思わず、自己投資として選ぶ価値があるなと思います。
知っておくべきこと
ココだけを聞くと、フラッグシップ機が魅力的です。
ただ、現実的に考えるとフラッグシップ機を手にするときにはいくつか知っておくべきこともあります。
価格
これは当たり前なのですが、世の中「良いものは高い」です。
フラッグシップ機は各カメラメーカーがプロに選ばれるためにも最新の技術や高価な部材を採用しています。
その結果、撮影効率や堅牢性を実現しているため、他の製造コストを意識した機種に比べて必ず高価になります。
一般的なカメラが「良いカメラが、買える価格なら買いたいな」ぐらいの熱量に対して、フラッグシップ機は「高くても良いから、最高のカメラが欲しい」という人をターゲットにしています。
携帯性(サイズ・質量)
やはり、わかりやすいのはフラッグシップ機のサイズと質量です。
小型軽量が売りのエントリー機やミドル機に比べると、フラッグシップ機は一回り以上大きく、手にしたときの重さは明らかに違います。
ただし、このサイズや重さは本来の役割を果たすために必要な設計であり、慣れると「安定感」としてプラスに感じられることも多いのです。
実際、縦位置での撮影が多い現場ではZ9やEOS R1の縦横一体型のデザインは撮影者の方への負担や撮影時の縦と横のバランスは役立ちます。
バッテリーグリップでの縦横一体型の実現も可能ですが、レンズを中心に三脚に設置した際のバランスでは、どうしてもバッテリーグリップ側重くレンズも中心に来ることがないことは悩みの種となります。

バッテリーグリップは必要な時だけ付けて、日常は軽く携帯性との両立が出来る点は魅力です。
豊富な機能に戸惑いがち
フラッグシップ機はスポーツ、モータースポーツ、報道、風景、星景、鉄道に飛行機や野鳥、ポートレートなど、あらゆる撮影ジャンルに対応するため、非常に多くの機能を持っています。
どの業界、現場のプロが使っても、必要な機能が揃っているように意識されています。
「フラッグシップ機を買っても、使いこなす自信がない」という声もありますが、使いこなす必要はありません。
フラッグシップ機を使って、安定かつ快適に写真が撮れれば、それでいいのです。
つまり、自分がよく使う撮影スタイルに合った機能を中心に覚えていけば十分で、「知らない機能がある=宝の持ち腐れ」では決してありません。
何より、長期的にカメラを使い続ける中で「こういった時に使う機能なのか」という発見が多いのもフラッグシップ機の魅力です。
言い訳の効かない環境を作れる
フラッグシップ機を使う最大のメリットのひとつは「言い訳の効かない環境」に自分を置けることです。
もし理想の写真が撮れなかった場合、「あのカメラだったら、撮れていたのかな」という「たられば」を可能な限り削ることが出来ます。
フラッグシップ機を使っている場合、機材の限界ではなく設定やレンズ選び、自分の撮影技術の問題である可能性が高くなります。
これは決してネガティブな意味ではなく、改善点が見えやすくなるということです。
「なぜ思った通りに撮れなかったのか」を真剣に考えるきっかけになり、自分の腕を磨く理由にもなります。
フラッグシップ機を使って撮れなかったのならば、他のカメラでも厳しかったのではないかという良い意味での割り切りが出来ることは大事です。

バリアングル液晶だから撮れたなどの意地悪は”なし”です(笑)
購入と買い替えの現実的な話
フラッグシップ機で思うところ「キャンペーンやキャッシュバックの対象になることは今のところない」です。
エントリーモデルや中級機はキャッシュバックなどを含め、価格が頻繁に変動します。
対して、フラッグシップは価格改定(値上げ)はあっても、価格見直し(値下げ)やキャッシュバックによる、お得な購入機会は極稀です。
メモリカードプレゼントなどのタイミングはあっても、カメラそのものが安売りされることはZ9については、今のところありませんでした。
ちなみに、フラッグシップ機は買取価格も比較的安定しています。
約4年から5年後に後継機に乗り換える場合でも、下取り価格が購入額の半分程度残ることが多いです。

Z9(現行機種)の場合、約30万円と発売時の実売価格(63万円)の半額ぐらいになっています。
つまり、フラッグシップ機はバトンタッチのように現行機から後継機へ差額による買い替えでスムーズに乗り換えられるというメリットがあります。
あとがき
カメラは自由に楽しめばいい
高価であり、機能が豊富、さらにプロの多くが愛用していることから、フラッグシップ機はプロ機として認知されることが多いです。
ただ、別にプロ専用機ではなく、誰でも買って使って良いカメラだからこそ、カメラ雑誌などの広告が入っているのも事実です。
つまり「興味ある人、買える人は買ってね」という位置づけのカメラであり、買う理由は「欲しいから」や「憧れだから」で十分です。
その性能を最大限引き出すのにプロである必要はなく、むしろ趣味だからこそ思い切って楽しめる価値があります。
カメラは誰のものでもなく、使う人の自由です。
大切なのは「何を撮りたいか」「どのように楽しみたいか」という気持ちです。
だからこそ、フラッグシップ機を手にすることにためらう必要はありません。
もしZ9IIが登場した際に、サイズや質量に価格という長期的に使う上で意識してほしい点はありますが、性能面等で興味があるなら手に取ってみるのも良いと思います。
皆さんの印象をYouTubeのコメント欄で教えてください。





























