こんにちは。
Jimaです。
今回は、ニコンのZ5IICを先行で使わせていただいたファーストインプレッションをお伝えします。
動画で解説
先に結論
Z5IICは、Z5IIと同等の性能を持ちながら、ファインダーを省いて上部をフラットにしたフルサイズミラーレスです。
フルサイズの描写とニコンらしい作り込みを、液晶モニターを見ながら撮るスタイルで楽しめるのが魅力のカメラです。
ポイントは、ファインダーがないこと、約620gの質量、ニコンダイレクトで23万8,700円という価格の3つを受け入れられるかを考えることです。

いいカメラです。
使っていて「やっぱりニコンだな」と感じる作り込みがありました。
一方で、他の機種と細かく比べていくと、気になるところが出てくるのも正直な印象です。
ちなみに、今回はニコン様から先行で利用する機会をいただいていますが、メーカーの販売や広告のための記事ではありません。
ニコンの担当者様からも「率直な意見をどうぞ」と言っていただいているので、良い点も気になった点もそのままお伝えします。
しっかり使い込んだレビューは、1週間後をめどにあらためてお届けする予定です。

発売日と価格
Z5IICの国内での発売情報は以下のとおりです。
- 発売日:2026年10月23日
- 予約開始:2026年10月2日10時
- ニコンダイレクト価格:ボディ238,700円、24-50レンズキット279,400円
- カラー:ブラックとシルバー
- 質量:約620g(バッテリーとメモリーカードを含む)、本体のみ約538g
アメリカでは、ボディが1,396.95ドルで販売されています。
デザインと操作系の第一印象
全体としては、Z5IIの基本操作をそのまま引き継ぎつつ、初めてカメラを持つ方向けに整理されたカメラだと感じました。
シルバーとフラットな上部のデザイン
今回使っているのはシルバーモデルです。
シルバーが選べるのは、Z5IICならではのポイントだと思います。
シルバーモデルには、シルバーのホットシューカバーが付いています。
録画中を示すタリーランプは、前からも上からも確認できる位置にあります。
カメラの上部は凹凸が少ないデザインで、カメラバッグから出し入れするときに引っかかりにくいです。
ダイヤルとボタンの配置
ダイヤルは完全なフラットではありません。
指で触れて回す部分だけが1mmほど出ているので、つまみやすいと感じました。
モードダイヤルにはU1とU2がありますが、他の機種にあるU3はありません。
その代わりにシーンモードが入っていて、絞り優先やシャッタースピード優先、プログラムオートを中心に使う、初めてのカメラとして選ぶ方に向けた構成だと感じました。
イメージングレシピやピクチャーコントロールを切り替える専用ボタンもあります。
撮りながら色の表現を切り替えて「これじゃない、こっちかな」と試せるのは、フィルターを切り替える感覚で楽しいです。
ISOボタン、録画ボタン、露出補正ボタンは一直線ではなく、指のカーブに沿った並びになっています。
省かれた部分と端子
背中側にあるAF用のジョイスティックはありません。
ここは省略された部分です。
ただ、iメニューボタンやメニューボタン、拡大縮小、再生、DISP、AE-L/AF-Lボタンは同じ位置にあるので、Z5IIを使っている方でも戸惑うことは少ないと思います。
メモリーカードはSDカードのシングルスロットです。
HDMIは細いタイプのマイクロHDMIで、USB Type-C、マイク端子、ヘッドホン端子も備えています。
必要なものを最小限そろえた構成という印象です。
ちなみに、バリアングルの液晶モニターは、他のカメラより指がかかりやすく、引き出しやすいと感じました。
液晶モニターと質量の注意点
ここは購入前に知っておいていただきたい部分です。
単体で使う分には気にならないものの、他の機種と並べると差を感じるというのが私の印象です。
約104万ドットの液晶モニター
Z5IICの液晶モニターは3.2型の約104万ドットです。
Z5IIは約210万ドットなので、ドット数はおよそ半分になっています。
Z5IIなど約210万ドットの機種と見比べると、少しほわっとした見え方に感じました。
一方で、Z5IIC 1台で使っている分には気になりませんでした。
価格とサイズと性能のバランスを取るためにこの液晶を採用したのだと受け止めていて、拒否反応のようなものはありませんでした。
ちなみに、ZRの液晶モニターは4型の約307万ドットです。
ファインダーのないカメラ同士で比べると、ここは差がはっきり出る部分です。
約620gの質量
質量は、バッテリーとメモリーカードを含めて約620gです。
決して軽いカメラではありません。
ただ、グリップがしっかり握れるので、撮影中は快適でした。
ネックストラップでぶら下げている間は、重さを意識することはほとんどありませんでした。
一方で、撮影の帰りに疲れた状態でカメラバッグへ戻すと、大きめのペットボトルが1本入っているような感覚で、肩にずしっときます。
ここは正直にお伝えしておきます。
RICOH GR IVのようなコンパクトデジタルカメラと比べると、まったく別物の重さです。
もちろんZ5IICはレンズ交換ができるので、その分の楽しさはあります。
この質量を持ち出すのであれば、ファインダー付きのZ5IIやZf、Z6IIIを選ぶ方も多いと思います。
組み合わせたいレンズ
Z5IICには、小さめの単焦点レンズを組み合わせるのがいちばんしっくりきました。
NIKKOR Z 26mm f/2.8とNIKKOR Z 40mm f/2
今回はNIKKOR Z 26mm f/2.8を付けて使っています。
Z5IICをいちばんコンパクトにできる組み合わせです。
もう1本おすすめしたいのがNIKKOR Z 40mm f/2です。


カメラを持つ理由はいろいろありますが、スマートフォンの電子処理によるボケではなく、レンズによる光学的なボケを体験するには、NIKKOR Z 40mm f/2がいちばん手頃に楽しめる1本だと感じています。
もっと明るいレンズを求めるなら、f/1.8やf/1.2のSラインもあります。
Z5IICに合わせるなら、NIKKOR Z 35mm f/1.4やNIKKOR Z 50mm f/1.4もいい選択肢です。
それでも、サイズのバランスではNIKKOR Z 40mm f/2くらいがちょうどいいと感じました。
液晶モニターで撮るときの構え方
ファインダーがないので、液晶モニターを見ながらタッチで撮ったり、中央でピントを合わせて構図を作ったりする撮り方になります。
重いレンズを付けると、カメラを体から離して腕を伸ばす構え方になりやすいです。
小さいレンズを付けて、脇を締めてカメラを体に近づけて撮るほうが、私には合っていました。

大きいレンズを付けるなら、ファインダーのあるカメラで撮りたいなと思ってしまいました。
NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3とNIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRも選択肢
NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3も試しました。

私のNIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3は、5、6年前に初代Z5のレンズキットで購入したものです。
沈胴式のレンズですが、使い込んでいるうちに沈胴部分が緩くなっていて、昔はもっとカチッと止まっていた記憶があります。
それでも写りはきれいでした。
レンズキットに付属する標準ズームレンズを選ぶのも、十分ありだと思います。
もう少し焦点距離の幅が欲しい方には、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRも選択肢になります。
ただ、私はZ5IICなら26mmか40mmの単焦点で使いたいと感じました。
被写体検出の魚を試した印象
Z5IICでは、被写体検出に新しく魚が加わりました。
魚を撮りたいからという理由だけでZ5IICを急いで買う必要はないと感じています。
検出精度はほどほど
これまでの被写体検出では、動物という大きなくくりの中から鳥が独立していました。
今回はそこに魚が加わった形です。
私はもともと魚を写真に残したくてカメラを始めたので、とても気になっていた機能です。
オートエリアAFで被写体検出を魚にして撮ってみたところ、ほどほどに合うという印象でした。
これまで3D-トラッキングとAF-Cで追いかけていたときより、少し追いかけやすくなったと感じる程度です。


カスタムワイドエリアAFで範囲を絞ると、精度が上がると感じました。
魚の柄や角度によって検出のしやすさは変わります。
水槽のガラスやアクリルの反射、水の泡にAFが引っ張られることもあります。
まあまあ使えたらいいな、くらいで考えていただくのがちょうどいいと思います。
イルカやシャチのような海の哺乳類を撮る方は、動物を選ぶより魚を選んだほうが安定するかもしれません。
これはあくまで私の予想ですが、Z6IIIやZ5II、Z8、Z9、Zfなど他の機種にも、いずれ魚の被写体検出が追加されてもおかしくないと考えています。
魚を撮るときはAF補助光をオフに
魚の検出より大事なこととして、魚を撮るときはAF補助光をオフにしてください。
暗い場所でAFを動かすと、カメラが光を出してピント合わせを助ける機能があります。
暗い環境で暮らす魚は瞳孔が大きく開いていることがあり、そこに急に光が入ると、驚いてパニックになることがあります。
パニックで水槽に衝突して、背骨や口先を傷めてしまう魚も少なくありません。
タリーランプが赤く光るくらいなら大丈夫かなと思いますが、私は機能としてオフにしたうえで、光る部分を黒のパーマセルテープでふさいでいます。
ちなみに、撮影のルールは水族館ごとの決まりが最優先です。

せっかくこの記事を読んでくださった方には、魚さんに優しさを持って撮ってほしいなと思っています。
23万8,700円という価格の考え方
Z5IICが高いのではなく、Z5IIが安いのではないかというのが、今の私の考えです。
ニコンダイレクトで23万8,700円
正直なところ、15万円台であれば、初めてのカメラやサブ機として大ヒットしていたと思います。
今は他の機種でキャッシュバックが頻繁に行われていて、Z5IIも実売価格が下がっています。
販売店によっては、Z5IIがZ5IICのニコンダイレクト価格を下回るケースもあります。
そのため、23万円台のZ5IICに価格的な魅力を感じにくい場面もあると思います。
これはあくまで私の予想ですが、量販店の値引きやポイントを含めると、21万円前後で購入できるのではないかと考えています。
キャッシュバックを待つ方もいると思いますが、始まるまでに数か月から1年ほどかかることもあり、その間は使えません。
Z5IIは値上げするのではないか
これはあくまで私の予想ですが、Z5IIは近いうちに値上げするのではないかと考えています。
たとえば、Z5IIがZfと同じくらいの30万円前後になり、値引き後27万円ほどになったとします。
そこに対してZ5IICが21万円ほどであれば、ファインダーの有無と液晶モニターの差で5、6万円違うことになり、納得できる価格差だと感じます。
もしZ5IIが値上げしないのであれば、Z5IIは今後もお買い得なカメラです。
Z5IICとZ5IIで悩んでいる方には、ファインダー付きのZ5IIをおすすめします。
Z5IICが向いている方と見送ったほうがいい方
Z5IICは、スマートフォンから一歩進んで、写真やカメラの世界に踏み込みたい方が最初に手に取るカメラだと感じています。
Z5IICが向いている方
スマートフォンでも写真はきれいに残せます。
それでも、しっかりしたカメラを1台持って撮る体験を楽しみたい方には、Z5IICは選びやすいカメラです。
たとえば、メイクをしているとまつ毛が当たってファインダーをのぞけない方や、カメラバッグに入れるときにファインダーが引っかかるのが気になる方です。
こうした細かい条件が重なって「Z5IICがいい」と思えて、そのうえでニコンを選びたい方であれば、購入して失敗したとはならないと思います。
ニコンが初めての方にもZ5II相当の性能を体験してほしいと考えて、ここから性能を下げなかったのだろうと受け止めています。
見送ったほうがいい方
カタログやスペック表を見比べられる、カメラに詳しい方には、気になるところがたくさんあると思います。
Z5IICに少しでも引っかかりを感じる方は、正直に言うと購入を控えたほうがいいです。
1つ気になると、使っているうちに気になる部分がいくつも出てくると思うからです。
ファインダー付きであれば、Z5IIやZfが候補になります。
長く使えるしっかりしたカメラが欲しい方には、Z6IIIをおすすめします。
発売当初は価格が気になっていましたが、今はかなり落ち着いていて、お買い得なカメラになっています。
ファインダーなしならZRという選択肢
ファインダーのないカメラであれば、私はZRのほうをおすすめします。
ZRはZシネマシリーズの動画機で、ダイヤルは音が鳴らないようにクリック感がなく、録画ボタンもぐっと押し込むタイプです。
シャッターボタンの押し心地は、写真を撮るうえではZ5IICのほうが圧倒的に気持ちいいです。
それでも、ZRとZ6IIIの部分積層型センサーの安心感は、Z5IICを使っていて何度か感じました。
Z5IICも3D-トラッキングでしっかり追ってくれるので普段使いには問題ありませんが、どんな場面でも任せられるという安心感は、ZRのほうが上でした。
私自身、ZRを購入してからはZ5IIの出番がほとんどなくなりました。
ちなみに、ZRはグリップが小さいので、私はSmallRigのグリップを付けて使っています。
その分、100gほど重くなっています。
他社やコンパクトカメラとの比較
ニコンにこだわりがなければ、LUMIX S9やSONY α7C IIを選ぶのもありです。
ニコンのZマウントは内径55mm、フランジバック16mmと大きいため、ボディの高さを今以上に抑えるのは難しいです。
光学的には有利な設計ですが、もっと小型で軽いカメラが欲しい方には、他社のほうが合う場合があります。
さらに軽さを求めるなら、レンズ一体型のコンパクトデジタルカメラも候補です。
私はRICOH GR IVを、抽選に外れた後に店頭に並んで購入しました。
今いちばん狙っているのは、開発発表されているRICOH GR IVxです。
今後のニコンに期待したいこと
Z5IICでファインダーを省くという決断ができたのであれば、他のシリーズにも広げてほしいと考えています。
これはあくまで私の予想ですが、たとえばZ6IIIC(仮)や、Z7系の高画素機からファインダーを省いたモデルが出ても面白いと思います。
Z30のフルサイズ版のような切り口もあり得ます。
価格は上がりますが、部分積層型センサーや高精細な液晶モニターを備えたファインダーなしのモデルがあれば、私は興味があります。

Z5IICはいいカメラだと思う一方で、私たちはこれだけでは満足できない気持ちもどこかに残っています。
その気持ちを受け止めてくれるZ9II(仮)のようなカメラも、やっぱり出てほしいです。
店頭で実物を触ってから決める
Z5IICは新しいユーザーに向けたカメラなので、多くの店舗で実物に触れられるようになると思います。
実際に持つと、思ったよりずっしりしていると感じるはずです。
家電量販店ではバッテリーを抜いてケーブルで動かしている場合もあるので、バッテリーを入れた状態の重さも意識して確認していただくのがおすすめです。
まとめ
Z5IICは、Z5IIと同等の性能を、ファインダーなしのフラットなボディに収めたフルサイズミラーレスです。
シャッターボタンの気持ちよさやダイヤルのつまみやすさなど、ニコンらしい作り込みを感じられる一方で、約104万ドットの液晶モニターと約620gの質量は、他の機種と比べると気になる部分です。
価格はニコンダイレクトで23万8,700円で、Z5IIの実売価格が下がっている今は、割高に感じる方もいると思います。
ファインダーがないことと質量と価格に納得できて、スマートフォンから一歩進んだカメラ体験をニコンで始めたい方は買い、少しでも引っかかる方はZ5IIやZRも含めて考えるのが、私の結論です。
皆さんがZ5IICに付けてみたいレンズや、Z5IICへの率直な印象など、YouTubeのコメント欄で教えてください。
