こんにちは。
Jimaです。
今回は、ニコンより発表のあったZRのファームウェアVer.2.00と、シネマレンズの開発発表について。
動画で解説
先にまとめ
ニコンは約1年前 2025年10月24日 に発売したZRという Cinemaシリーズのカメラに対して動画機能を大幅に強化するという発表がありました。
改めて、ニコンはZ CINEMAシリーズというか、映像(動画)に本気だな、と思わせる内容です。
発売から約1年、使っている人、特に動画機として愛用する方々が言い続けてきたことを見事に対応しているので、今回のアップデートには期待していいと思います。
ただ、要望の多かったオープンゲート記録は2027年中の予定で、2026年内に来るVer.2.00には入っていません。
今回発表された強化内容
ZRに何が追加されるのかを先に把握しましょう。
2026年内に提供予定のVer.2.00は次の3点です。
- H.265収録でガンマのLog3G10とガマットのREDWideGamutRGBに対応
- H.265でのLog撮影時に、高感度ノイズ低減の処理度を選べるオプションを追加
- R3D NE撮影時のフォーカスピーキング表示に対応
併せて、2027年の予定も一緒に出ました。
- オープンゲート記録は2027年中の対応を目指して開発中
- アナモルフィックレンズ装着時のデスクイーズ表示も2027年中が目標
また、REDのリモートコントロールアプリ「RED CONTROL」「RED CONTROL PRO」からの遠隔操作に対応するという話もあります。
プレスリリースの文字だけだと、イメージが難しいところもあるので、一緒に深堀りしていきましょう。
H.265で撮ったときの色が変わる
R3D NEとH.265の使い分け
ニコン ZRはニコンのカメラ向けに設計されたRAWフォーマット「R3D NE」の内部収録が可能です。
記録画素数は12bit 6K 59.94p、4K 119.88pまで対応します。

119.88pは撮像範囲がDXフォーマットになるので、フルサイズのままハイフレームレートで撮れるわけではありません。
ただR3D NEはとにかくデータ量が大きく、メモリカードでの運用や処理するパソコン側に求めるスペックも気になります。
なので、色情報をシッカリと残したい場合はR3D NE。
たくさん撮るけど、色はカメラ任せでOKならH.265という使い分けが便利です。
Log3G10とREDWideGamutRGBに対応
Ver.2.00では、H.265で撮影するときも、ガンマの「Log3G10」と色域の「REDWideGamutRGB」が使えるようになります。
つまり、REDのシネマカメラと同じ色の基準で、H.265の映像を撮影できるようになるということです。
H.265で撮影した映像と、R3D NEで撮影した映像に、同じLUTを適用して色を合わせることもできるなと思います。
つまり、H.265はファイル容量を抑えながら、カラーグレーディングにも対応できるようになります。
そのため、撮影前に「H.265で撮るか、R3D NEで撮るか」を細かく決めておく必要がなくなります
高感度ノイズ低減の強さが決められる
これまで、ZRでは高感度撮影時のノイズ低減をカメラが自動で処理していました。
これは、ノイズを減らせる一方で、処理が強すぎると細部の輪郭までぼやけてしまいます。
逆に、映像の雰囲気としてノイズを残したい場合も、細かく調整できないものでもありました。
Ver.2.00では、ノイズ低減の強さを自分で選べるようになります。
「ノイズを減らすことを優先する」「細部を残すことを優先する」といった選択ができるようになります。
暗い場所で撮影した映像を狙った質感に仕上げやすくなります。
撮影中の見え方と操作性も改善
R3D NEでもフォーカスピーキングに対応
ZRの背面モニターは、4.0型で約307万ドットのバリアングル式です。
大きい背面モニターなので、見やすいのですが、それでも明るい屋外ではピントが合っているか確認しにくいことがあります。
Ver.2.00では、R3D NEで撮影するときもフォーカスピーキングを表示できるようになります。
今まで以上に撮影中のピント確認やカメラの操作も、使いやすくなります。
これは、外部モニターを使わず、カメラ1台で動画を気軽に撮影したい人には便利な機能だなと思います。
RED CONTROLからリモート操作に対応
ZRは、REDのシネマカメラと色を合わせられることが大きな特徴です。
一方で、カメラを操作するときは、RED機とは別のカメラとして独立して扱う必要がありました。
Ver.2.00では、RED CONTROLからニコン ZRをリモート操作できるようになります。

RED CONTROLとは、RED Digital Cinema社の対応カメラをワイヤレスや有線で操作できる公式のリモートコントロールアプリです。
REDのカメラとZRを同じ現場で使う場合でも、同じアプリから設定を操作できるようになります。
ZRも混ぜた、複数のカメラを使う撮影では、カメラごとに操作方法を切り替える手間を減らせます。
メモリーカードも大事
高速+安定したCFexpress Type Bを選びたい
撮影機能が増えるほど、メモリーカードにも安定した書き込み性能が求められます。
ニコン ZRは、CFexpressカードType BとmicroSDのダブルスロットを採用しています。
microSDスロットはUHS-Iまでの対応なので、R3D NEで撮影する場合はCFexpressカードType Bを使うことになります。
動画撮影では、瞬間的に速いだけでなく、高い書き込み速度を長時間維持できることが重要です。
書き込み速度が途中で大きく低下すると、録画停止などのトラブルにつながる可能性があります。
今後オープンゲート記録に対応すれば、より広い範囲を読み出して記録することになるため、メモリーカードにはさらに高い性能が求められる可能性があります。
これからカードを買い足すなら、最大書き込み速度だけでなく、長時間撮影時の維持速度も確認して選びたいところです。
2027年のオープンゲート記録
せっかくなら、センサーをフル活用したい
ZRの有効画素数は2450万画素、撮像素子は35.9×23.9mmの部分積層型CMOSセンサーです。
静止画だと、撮像範囲FXのサイズ Lで6048×4032ピクセルまで記録できます。
ただ、RAW動画は6048×3402ピクセルです。
横幅はどちらも6048で同じなので、動画では縦だけを削っていることになります。
16:9の動画をイメージして欲しいのですが、上下に使っていない部分が残っています。

参考に LUMIX S5II の話
シンプルに考えると、オープンゲート記録は、センサーのほぼ全体を3:2のまま記録する方式です。
すでにオープンゲート記録に対応している LUMIX S5II を例にすると、静止画の3:2はLサイズで6000×4000pxです。
そしてオープンゲート記録は5952×3968(3:2 6K)で、静止画とほぼ同じ範囲を動画でも使えることが知られています。
こうして3:2で撮っておくと、編集時に違和感なく横動画にも縦動画にも切り出すことが可能です。
オープンゲート記録時の記録画素数は未公表のため、右の図は比率のイメージです

今もZRで出来るっちゃ、出来るのですが、どうしても横動画を縦で切り抜いた感が残っちゃうので・・・。
オープンゲートであれば、上下に録画領域があれば、縦構図で被写体の頭や足元が切れずに収まります。
期待しすぎないほうがよさそうな部分
あくまで、LUMIX S5II を参考にした場合ですが、3:2の6Kオープンゲートは、29.97pか23.98pのどちらかになります。
16:9の5.9Kでも同じで、フルサイズのまま60pで撮ることはできません。
記録形式もH.265/HEVCの420 10bit LongGOPで、RAWではありません。
ここからは私の予想になりますが、読み出す範囲が増えればセンサーもプロセッサーも負担が増えます。
ニコン ZRが最上位機種であれば「実は将来のアップデートを見込んでました」と言えますが、約30万円のカメラなので、いまの59.94pがそのまま使えるとは限らないと思っています。
もしかしたら一部、制限や限定的な使い方になるのではないかと気になっています。

どちらにせよ、ニコンからの仕様に対する正式な発表を待つのが良さそうです
ZRで写真を撮ることが多い話
部分積層、他に比べて軽くて小さい。
ZRはZ Cinemaシリーズとして、動画撮影を目的に作られたカメラです。
ただ、私は静止画で使うことが多いです。
実はニコンZマウントで部分積層型センサーを搭載したカメラのなかでは、ZRが最も小さく軽いモデルです。
質量は約630gで、サイズは約134×80.5×49mmというのは、大型化するニコンのカメラの中では救われる部分が多いです(笑)
部分積層型センサーを搭載したカメラとして考えると、かなり持ち出しやすいサイズです。

大きいレンズを付けるとアンバランス担ってしまいますが、小さい単焦点レンズであれば快適です
メカシャッターレスも良い
実はZRはメカシャッターを搭載していない、メカシャッターレスです。
シャッタースピードは1/16000秒から30秒まで対応、高速連続撮影では約20コマ/秒、ハイスピードフレームキャプチャー+では最大約120コマ/秒で撮影できます。
有効画素数は2450万画素で、273点のフォーカスポイントと3D-トラッキングにも対応しています。
私の撮り方では、静止画を撮っていて性能不足を感じることはありません。
Z6IIIと同じく部分積層なので、Z8やZ9のような積層型程の安心感はないですが、激しく動くもの以外であれば必要十分です。

ZRでは、フラッシュ使用時の同調速度は1/60秒以下に制限されます。
ただ、私はZRでゴリゴリにストロボを使うことはありません。
背面モニターが4.0型と大きい
もうひとつ、ZRの背面モニターは、4.0型で約307万ドットのバリアングル式です。
この大きさのモニターを搭載したニコンZシリーズは、これまでありませんでした。
多くのZシリーズ フルサイズ機では 3.2型TFT液晶が採用されています。
この、一回り大きい液晶は画面が見やすくて、サクサクと撮影を楽しめます。
これはスペック表だけでは分からない、ZRを使っていて気に入っているところです。
ファインダーがなく、ボタンが少ない
実はZRは購入前に、ファインダーがないことと、ニコンZシリーズに比べてボタンが少ないことが気になっていました。
実際、使い始めたころは、よく使う機能を探すために操作を止めることがありました。
ただ、カスタムボタンによく使う機能を割り当ててからは、使う機能も撮影の目的も限定的なので、ほぼ気にならなくなりました。
ZRを購入したら、最初にカスタムボタンを自分の撮り方に合わせて設定しておくことをおすすめします。
ニコン=更新に期待
ZRは発売から約1年弱、ここまでの内容を「おそらく」無償のファームウェアで載せてくるのがニコンらしいところです。
思い出すのが、Z9のファームウェアVer.2.00です。
Z9のときは衝撃的だった
Z9は過去、大型ファームウェアの更新を4回入れています。
12bitの8.3K/60pのN-RAW内部記録への対応やシャッターを押す前に遡って記録できるプリキャプチャー機能なども話題でした。
正直、Z9の中身が大きく入れ替わったという感動、驚きが、今回のニコン ZRでも来そうな気がしています。
Z8もその後の更新で機能が増えていますし、ニコンは買ったあとの製品をちゃんと育ててくる姿勢に好感が持てます。
ZRも改善して育てる機種かも
実はZR自体も、2026年1月のVer.1.10で連続録画の上限が延びています。
そして今回のVer.2.00で色の作り方が変わり、2027年のオープンゲート記録まで予定が出ました。
ニコンはオープンゲート記録について「多くの要望をいただいている」と書いています。
今回の内容は「ZRはテコ入れして、育てていく」姿勢が見えるなと思います。
いま足りない部分があっても、待っていれば埋まっていきます。
もしくはZRII(仮)やZRより上位機のカメラが出た際に回収してくれるでしょう。
色々とニコン、ZR、Z Cinema に期待したいところです。
もうひとつ、ニコンに動きあり
2026年9月8日には、シネマレンズシリーズ「NIKKOR Z CINEMA T1.9 VV」計9本の開発も発表されました。
NIKKOR Z CINEMA T1.9 VVシリーズについて
いま名前が出ているのは「NIKKOR Z CINEMA 50mm T1.9 VV」の1本だけです。
このシリーズは、NIKKORレンズとして初めて、フルサイズより大きいV-RAPTOR [X] VVセンサーのイメージサークルをカバーします。
高精度なオートフォーカス機構を搭載するとされていて、シネマレンズなのにAF前提という設計になっています。
こういった新たな技術が後々、私たちが使うNIKKOR Z レンズに技術として採用、反映されると良いなと思います。
おそらく「必要な人が買う」もの説
シネマレンズシリーズ「NIKKOR Z CINEMA T1.9 VV」が狙っているのは、V-RAPTOR [X] VVセンサーを積んだRED機です。
ニコン ZRのセンサーに最適化した、ニコン ZR用の純正シネマレンズが出たという話ではありません。
それでも、ZRのファームウェアの更新予定の発表と新たなNIKKOR Z レンズの展開を出してきた意味は大きいです。
ニコンがシネマ領域に力を入れているのは伝わってきますし、ニコン ZRを買った側としては安心して使い続けられます。
まとめ
ZRは、REDのカラーサイエンスを内部収録できるフルサイズシネマカメラとして登場しました。
Ver.2.00でH.265の色の作り方が変わり、高感度ノイズ低減も自分で選べるようになります。
R3D NEでのフォーカスピーキングとRED CONTROLからのリモート操作も加わって、取り回しも改善されまs。
オープンゲート記録とアナモルフィックレンズのデスクイーズ表示は2027年中の予定なので、縦動画やシネマスコープの画作りはもう少し待つことになります。
私自身は、動画機としてだけでなく、部分積層型センサーを積んだ最小最軽量のニコンZマウント機としても使っています。
大きな背面モニターで撮る静止画は、他のニコンZシリーズとは違う体験になりますし、実売24万円台でこれだけ撮れるカメラはなかなかありません。
買ったあとも製品を伸ばしてくるメーカーなので、開発・発表速度はゆっくりですが待っていて損のないメーカーだと改めて実感しました。
皆さんの印象をYouTubeのコメント欄で教えてください。
