こんにちは。 Jimaです。
今回は、2026年5月7日にニコンが開発発表した「NIKKOR Z 120-300mm f/2.8 TC VR S」について考えてみます。
先に結論
このレンズは、ズームレンズとして初めてテレコンバーターを内蔵し、TC非使用時は120mmから300mmをズーム全域で開放F値2.8が維持されています。
TC使用時は168mmから420mmを1段暗くして、f/4でカバー可能という、これまでに存在しなかった「テレコン内蔵ズーム」です。
スポーツや野鳥など、動きのある被写体を遠距離から追う方にとって、機材の組み方を見直すきっかけになる可能性があると感じています。
注目したいポイントは、重量と価格がどこに着地するか、そして現場での使い勝手がどこまで実用的かを考えることです。
動画で解説
ズームにTC内蔵が入った
NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR SやNIKKOR Z 600mm f/4 TC VR Sの実績から、ニコンは単焦点レンズへのテレコンバーター内蔵技術を確立しています。
今回のNIKKOR Z 120-300mm f/2.8 TC VR Sは、それをズームレンズで実現した初のモデルです。
ズームレンズは焦点距離の変化に伴い内部の光学群が連続的に動くため、そこにTC用の光学群を加えながら高い描写性能を維持する設計は、単焦点へのTC内蔵よりも難度が高いと私は考えています。
ただし、これはあくまで私の予想です。
ニコンがS-Lineとして開発発表している以上、描写性能の水準については期待していいと思います。
TC非使用時と使用時の焦点距離・F値
TC非使用時は120mmから300mmをズーム全域で開放F値2.8が維持されます。
TC使用時は1.4倍換算となり、168mmから420mmをカバーします。
ただし、テレコンバーター(1.4倍)を使用すると光量が約1段落ちると想定されるため、TC使用時の開放F値はf/4になると考えています。

NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR Sも、TC非使用時はf/2.8、TC使用時は560mm f/4という仕様になっており、同じ考え方です。
明るいズームで使いつつ、時には420mmをf/4で使えることは心強いですね。
Fマウント時代との比較
これは私の考えなのですが、同じ焦点距離域・同じ開放F値を誇るレンズがありました。
メーカーが前身と言ってはいないものの2020年2月29日に発売された「AF-S NIKKOR 120-300mm f/2.8E FL ED SR VR」が、頭をよぎりました。
AF-S NIKKOR 120-300mm f/2.8E FL ED SR VR の重量は約3,250g、希望小売価格は税別126万7,000円でした。
このFマウント版にはテレコンバーターが内蔵されておらず、300mm止まりの設計でした。
NIKKOR Z 120-300mm f/2.8 TC VR Sは、TC内蔵を加えることでTC使用時に最大420mmまでカバーできるという、設計上の大きな一歩を踏み出した1本です。
Fマウント時代に想像もしていなかったことが、ZマウントでTC内蔵という形で展開された流れは、ニコンのZマウントの光学的な可能性を実感します。
確約された使い勝手の良さ
スポーツ・報道や野鳥撮影、モータースポーツ系の現場では、「待っていました」と感じるスペックだと私は思っています。
これまでこうした撮影では、大口径望遠ズームに外付けテレコンバーターを組み合わせて焦点距離を稼ぐか、長い単焦点レンズをもう1本持ち出すかという選択がありました。
NIKKOR Z 120-300mm f/2.8 TC VR Sは、ズームの柔軟性とTC使用時の420mmを、1本のレンズの中でスイッチひとつで切り替えられる設計です。
レンズ交換のリスクをなくせる
屋外での試合撮影や野鳥撮影では、レンズ交換のたびにセンサーへの粉塵リスクが生じます。
1本で済むことは、そのリスクをゼロにすると同時に、交換のタイムロスも解消します。
現場でこのメリットを実感できる方にとっては、価格を超えた価値があると思います。
スポーツ・野鳥・航空機での用途
スポーツ取材では、選手の入場から試合の決定的瞬間まで、距離が変わる場面でもズームとTCを使い分けながら対応しやすくなります。
野鳥では、近距離の止まりものから遠距離の飛翔まで、1本で対応できる焦点距離域です。
航空機は離着陸の近距離から上空の遠距離まで、TCのオンオフで対応しやすい撮影ジャンルのひとつです。
気になるところ
NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S、NIKKOR Z 600mm f/4 TC VR S には「シルキースウィフトVCM(SSVCM)」が搭載されています。
最近はNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S II や NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II にも採用されました。
これはNIKKOR Z 120-300mm f/2.8 TC VR Sにも遠慮なくニコン最高峰の技術の一つとして採用される可能性は高いと私は予想しています。

もっと言うと、シルキースウィフトVCM II(SSVCM II)みたいな次世代の技術にも期待しています。
TC内蔵時のAF速度は大事
外付けテレコンバーター使用時はAF速度や描写性能に少なからず影響があります。
内蔵型TC使用時のAF性能や描写性能、単焦点で登場している内蔵TC採用のレンズでは気にならなかったのですが、ズームとなると、どの程度の影響があるか発売後の評価が気になります。
重量と価格の見通し
Fマウント版のAF-S NIKKOR 120-300mm f/2.8E FL ED SR VRは約3,250gでした。
TC内蔵が加わったZマウント版がどこまで軽量化できるかは、ニコンの発表が楽しみです。
価格については、Fマウント版の希望小売価格(税別)126万7,000円にTC内蔵・Zマウント化のコストが乗ることを考えると、150万円前後以上になる可能性があると予想しています。
ただし、これもあくまで私の予想なので、「200万円超えてくるだろう」という方、コメントで教えてください。
ニコンの動向と発売時期
NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S、NIKKOR Z 600mm f/4 TC VR Sに続いて、NIKKOR Z 120-300mm f/2.8 TC VR Sが加わることで、ニコンはTC内蔵レンズを3本ラインナップすることになります。
「開発発表」から発売までの期間を考える
ニコンが開発発表という形式を選んだのは、発売日や価格が未確定の段階でもユーザーへの情報提供を優先したためだと私は考えています。

「ニコンに期待してね」+「自信ある」ということだと思います。
過去の事例では、開発発表から発売まで数か月から1年程度の幅があります。
発売時期についてニコンは具体的な期日を公表しておらず、その間に他のレンズが登場したり・新しいカメラが登場する可能性も十分にあります。
高品質レンズが続く今、次はボディに期待
ここ最近のニコンは、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIやNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S IIと、大口径ズームレンズのII型を立て続けに発売しています。
NIKKOR Z 120-300mm f/2.8 TC VR Sの開発発表もその流れに続くものと私は見ています。
これだけ高品質なレンズが揃ってくると、それらを最大限に引き出せるボディ側の後継機(Nikon Z 9の後継機など)の登場にも期待してよいのではないかと感じています。
まとめ
NIKKOR Z 120-300mm f/2.8 TC VR Sは、ズームレンズとして初めてテレコンバーターを内蔵し、TC非使用時は120mmから300mmをズーム全域で開放F値2.8が維持され、TC使用時は168mmから420mmをf/4でカバーするという1本です。
同じ焦点距離域のFマウント版にはなかったTC内蔵を加えての登場であり、スポーツ・野鳥・航空機撮影における機材構成を見直す契機になり得るレンズだと感じています。
購入前は、発表される重量と価格に納得できるかどうかを軸に考えると判断がしやすくなります。
